2011 Fiscal Year Research-status Report
赤血球中葉酸類の超高感度定量法の開発とその臨床応用
Project/Area Number |
23590044
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
和田 光弘 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40295093)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 憲一郎 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30039656)
高村 昇 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30295068)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 葉酸 / 赤血球 / LC-MS/MS / 分析化学 |
Research Abstract |
本申請は、葉酸 (FA) の長期摂取状況を反映するといわれている赤血球中の FA 類の、タンデム質量分析計を備えた液体クロマトグラフィー (LC-MS/MS) システムを用いる高感度な定量法を確立することを目的としている。LC-MS/MS システムとして Waters Quattro micro API 及び Waters 2695 LC システムを用いている。葉酸類の分離には、カラムに Luna 3u C18 (100x4.6 mm, i.d.)、溶離液として 1% 酢酸溶液及びアセトニトリルの混液を用い、これらによるグラジエント溶出を行った。MS 条件としてイオン化モードは エレクトロスプレーイオン化ポジティブを用い、これを multiple reaction monitoring モードで検出した。これにより FA 、5-メチルテトラヒドロ葉酸 (5-MTHF) 及び内標準物質のメトトレキセートをそれぞれ 9.5 分、3.8 分及び 9.2 分に分離定量可能であった。標準品を用いた場合の検出下限は 250 nM 及び 1 nM と 5-MTHF に関しては充分であるが、FA についてはさらなる高感度化が必要であった。これを全血試料に以下の前処理を施して測定したところ、5-MTHF の定量が可能であった。EDTA チューブにて採血した血液に 1 w/v% アスコルビン酸 (ASA) 溶液を添加し 10 倍に希釈した。次に、1 M NaOH で暗所 4 時間静置しモノグルタメートとしたのち、Waters 社製 Sep-Pak 固相抽出カートリッジを用いて洗浄後、1 w/v% ASA 含有 MeOH を用いて溶出し、これを LC-MS/MS 分析に供した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、葉酸測定に使用している LC-MS/MSの検出感度が当初想定していたものより低いため、試料の前処理、測定条件の最適化などに多くの時間を費やす必要があった。現在も検討を継続中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度では、進行に遅れがある赤血球中の葉酸類の LC-MS/MS法の確立を急ぐことを第一の取り組み課題とする。血液試料の収集及びその動脈硬化因子ホモシステイン分析を実施する予定である。また申請書類「研究が当初計画通りに進まないときの対応」にも示したように広島大学升島努教授との共同研究を進行させる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の研究費については、葉酸測定用試薬、赤血球前処理カラム、HPLC用カラム、実験動物及びガラス器具などの消耗品の購入及び研究打ち合わせに必要な旅費への使用を計画している。
|