2013 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用可能な癌細胞特異的全身投与型siRNAデリバリーシステムの構築
Project/Area Number |
23590045
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
有馬 英俊 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (50260964)
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Keywords | シクロデキストリン / デンドリマー / siRNA / 腫瘍特異的 / 葉酸受容体 / RNAi効果 / 安全性 / 抗腫瘍効果 |
Research Abstract |
我々はこれまで、α-シクロデキストリン(α-CyD)と世代数3(G3)のデンドリマーとの結合体(α-CDE(G3))中のデンドリマー分子に、PEGを介して葉酸を導入したFol-PαC(G3)を調製し、腫瘍選択的にsiRNAを導入可能であることを明らかにした。しかし、本siRNA複合体は、in vivoでのRNAi効果は十分ではなかった。そこで本研究では、複合体のRNAi効果に優れる腫瘍選択的siRNA導入用キャリアの構築を企図して、G3からG4に上げたFol-PαC(G4)を調製し、がん細胞選択的な全身投与型siRNAキャリアとしての有用性を評価した。得られた結果を次に示す。1) 葉酸受容体(FR)発現KB細胞において、葉酸置換度(DSF)の中で、Fol-PαC(G4, DSF2)/siRNA複合体が最も高いRNAi効果を示した。2) 本siRNA複合体のRNAi効果は、KB細胞上のFRを介して誘導した。3) 本siRNA複合体は、50%血清存在下でもRNAi効果を示した。4) 本siRNA複合体中のFol-PαC(G4, DSF2)は、トランスフェクション後、徐々に細胞外に排出されることが示唆された。5) FR発現Colon-26-luc細胞を移植した担がんマウスにおいて、本siRNA複合体は、in vivoにおいてもRNAi効果を誘導した。6) 本siRNA複合体は、安全性に優れることが示唆された。7) 本FITC-siRNA複合体は担がんマウスの尾静脈内投与後、高い血中滞留性を示すとともに、腫瘍組織へ移行することが示唆された。以上述べたように、Fol-PαC(G4, DSF2)は、安定性および血中滞留性に優れるがん細胞選択的な全身投与型核酸医薬キャリアとして有用であることが示唆された。
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Research Products
(10 results)