2012 Fiscal Year Research-status Report
病理組織標本を用いた生体ステロイドのメタボライト・プロファイリング技術の開発
Project/Area Number |
23590051
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
本多 彰 東京医科大学, 医学部, 准教授 (10468639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 照雄 東京医科大学, 医学部, 講師 (60532687)
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Keywords | ステロイド / LC-MS/MS |
Research Abstract |
本研究の最終目標は,これまで応募者らが開発してきたHPLC-MS/MSによるステロイドの高感度分析法を発展させ,代謝マップ上の100種類以上のステロイドを、ホルマリン固定した組織標本から一斉定量する「メタボライト・プロファイリング」法を開発することである。平成24年度は平成23年度に引き続き,まず標準物質を用いたHPLC-MS/MSによる分離、分析条件の検討を行った。次に,極性が低いステロールから極性が高いニューロステロイドまでを同時に抽出する方法の検討を行った。 具体的には,各種ステロイドを添加したアルカリ加水分解溶液(1N ethanolic KOH)0.5 mLに蒸留水0.25 mLを加え,各1mLのn-Hexane,n-Hexane:ethylacetate (1:1)×2回,ethylacetateで順に抽出を行い,添加したステロイドの回収を求めた。その結果,mono-, di-, tri-hydroxycholesterolまではn-Hexane:ethylacetate (1:1)×1回目までで,90%以上の回収率が得られた。またmono-hydroxyおよびdi-hydroxyのdehydroepiandrosterone(DHEA)や7α-DHEAなどのニューロステロイドはn-Hexane:ethylacetate (1:1)×2回目までで,90%以上の回収率が得られた。 また、平成24年度は平成23年度に引き続き,定量分析に内部標準として使用する安定同位体標識ステロイドの収集も行い,必要な種類と量を確保しつつある。 さらに上記の基礎実験結果を基に,組織を用いた予備分析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HPLC-MS/MSによる分析方法をほぼ確立し,組織を用いた予備分析まで開始できたため,おおむね当初の計画通りに進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、ステロイドが安定に保持される組織固定方法を確立し(4月~8月)、ステロイドに影響を与えない組織切片染色方法の確立を行って(9月~3月)、最終的に本研究を完成させる計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じたのは、定量分析に内部標準として使用する安定同位体標識ステロイドの中に,平成24年度に発注はしたが,在庫がないためいまだ納品されていないものが存在するためである。
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