2013 Fiscal Year Annual Research Report
病理組織標本を用いた生体ステロイドのメタボライト・プロファイリング技術の開発
Project/Area Number |
23590051
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
本多 彰 東京医科大学, 医学部, 教授 (10468639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 照雄 東京医科大学, 医学部, 講師 (60532687)
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Keywords | ステロイド / LC-MS/MS |
Research Abstract |
本研究の最終目標は,これまで我々が開発してきたHPLC-MS/MS法によるステロイドの高感度分析法を発展させ,代謝マップ上の100種類以上のステロイドを,ホルマリン固定および染色した組織標本から一斉定量する「メタボライト・プロファイリング」法を開発することである。平成24年度までに標準ステロイドを用いた一斉抽出方法,一斉誘導体化方法,一斉分析方法を確立し,定量分析の内部標準として必要な安定同位体標識ステロイドの収集もほぼ完了したため,平成25年度は実際の生体組織サンプルを用いて,ホルマリン固定と染色が分析に与える影響を検討した。 具体的には,ヒト肝組織(同重量)に10%中性緩衝ホルマリン液を添加して1~17時間の固定を行った。固定後組織を回収して乾燥した後,内部標準とBHTを加えた1N ethanolic KOH中でアルカリ加水分解を行い,n-Hexaneとethylacetateで抽出し,picolinyl ester誘導体にしてLC-MS/MS分析を行った。その結果,ホルマリン固定しないものと比べてホルマリン固定したものでも,固定時間にかかわらず同様の定量結果が得られ,我々のステロイド分析法に関してはホルマリン固定の影響はないと判断された。一方,ホルマリン固定を行った組織について,さらにマイヤーヘマトキシリン液を添加して5分間の染色を行った。染色後蒸留水にて1回洗浄して乾燥し,上記と同様にアルカリ加水分解,抽出,誘導体化後にLC-MS/MS分析を行った。その結果,染色をしたものでもしないものでも同様の定量結果が得られ,我々のステロイド分析法に関してはマイヤーヘマトキシリン染色の影響はないと判断された。 以上によりほぼ当初の目的は達成され,現在臨床検体での分析を開始している。今後実験動物および臨床検体への応用をさらに進めていく計画である。
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Research Products
(6 results)