2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23590053
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
高山 幸三 星薬科大学, 薬学部, 教授 (00130758)
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Keywords | 錠剤データベース / ニューラルネットワーク / サポートベクターマシン / 主薬物性 / 製剤特性 / 破壊強度 / 溶出率 / 比表面積 |
Research Abstract |
錠剤特性には様々な要因が複雑に関与するため、その定量的予測は困難である。本研究では、標準処方を参考に種々の薬物を含有する錠剤データベースを構築し、サポートベクターマシン(SVM)および一般回帰ニューラルネットワーク(GRNN)による錠剤特性の高精度予測を試みた。前年度までの研究により、直打法による錠剤データベースの構築を達成したので、今年度は汎用性に優れる顆粒圧縮法での錠剤のデータベース構築を試みた。主薬の物性値として融点、溶解度、比表面積、平均粒子径および粒度分布を測定した。また中間製品である顆粒の物性値として平均粒子径、粒度分布相対幅および顆粒強度を測定した。さらに設計変数としてステアリン酸マグネシウム配合量およびその混合時間を選択し、約700 セットからなる錠剤データベースを構築した。 錠剤特性として破壊強度および主薬の溶出率を選択し、変数選択型重回帰分析によって予測に有意に寄与する因子を抽出した。これらを入力因子としてSVMおよびGRNNによる学習モデルを構築した。その結果、GRNNでは、いずれの錠剤特性値も高精度に予測され、SVMよりも予測に優れることが明らかになった。GRNNでの感度分析により、主薬の融点、比表面積、顆粒の粒度分布および主薬含量が、破壊強度や溶出率等の錠剤特性に強く影響していることが示された。さらに寄与度の推算プロットから、破壊強度と融点、および溶出率と比表面積との間に正の相関関係が認められた。 以上より、本研究を通じて総数約1400セットからなる錠剤データベースの構築に成功し、錠剤特性の高精度予測法を確立した。本研究は、新たな薬物の錠剤化検討における基盤情報として有効活用できるものと考えられる。
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Research Products
(13 results)