2013 Fiscal Year Annual Research Report
大麻および痩身薬などゲートウェイドラッグの乱用を迅速に判定する方法の開発
Project/Area Number |
23590055
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
斉藤 貢一 星薬科大学, 薬学部, 教授 (40386347)
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Keywords | 固相分散抽出法 / 鎮痛薬 / 薬物乱用 / スクリーニング / 生体試料 / LC/TOF-MS |
Research Abstract |
慢性疼痛患者に対し、オピオイド系鎮痛薬だけでは十分対応できない痛みがある場合、鎮痛補助薬が併用されるが、それにより中毒発現のリスクも高まり、更に、入手が容易になることで薬物乱用に陥ることが危惧される。そのため救急医療現場では薬物乱用患者が服用した中毒原因物質を迅速にスクリーニングして特定する方法が必要とされている。しかし、これまでに複数の鎮痛薬・鎮痛補助薬を一斉にスクリーニングできる分析法は確立されていない。 本研究では分析対象の鎮痛薬として、中等度オピオイド系鎮痛薬(トラマドール、ペンタゾシン)、NSAIDs(エテンザミド)、鎮痛補助薬として抗うつ薬(イミプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、アモキサピン、ドキセピン、ドスレピン、マプロチリン、ミアンセリン、トラゾドン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、フルオキセチン、シタロプラム、ミルナシプラン、デュロキセチン、ベンラファキシン、ミルタザピン、レボキセチン、ブプロピオン、モクロベミド)、抗てんかん薬(カルバマゼピン)および抗不整脈薬(リドカイン、メキシレチン、フレカイニド)を選定し、血清を試料とした30種薬剤の一斉分析法の構築を試みた。 血清の前処理法には、市販の固相を分散させることで迅速な抽出ができ、閉鎖系での操作が可能な固相分散抽出(SPDE)法を検討した。またスクリーニングの分析機器として、液体クロマトグラフ/飛行時間型質量分析計(LC/TOF-MS)を使用した。 その結果、SPDE 法を選択することで、予め除タンパクを必要とせずに前処理を迅速に行えるようになった。また、LC/TOF-MSにより、生体試料中の複数の薬物を高感度に分析することも可能となった。
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