2013 Fiscal Year Annual Research Report
膜透過技術を搭載したバイオ医薬の非侵襲的デリバリーの創製と臨床開発への橋渡し研究
Project/Area Number |
23590056
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
武田 真莉子 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (70257096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 幸三 星薬科大学, 薬学部, 教授 (00130758)
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Keywords | バイオ薬物 / 細胞膜透過ペプチド / 経口吸収 / 薬物送達システム / 経鼻吸収 / インスリン / バイオアベイラビリティ / 吸収促進 |
Research Abstract |
本研究はバイオ薬物の生体膜透過性を強力に改善する新規機能素子:細胞膜透過性ペプチド(CPP)を利用した非侵襲的デリバリーシステムの創製を確立し、臨床開発を早期に実現するための橋渡しとなる研究の遂行を目的とした。具体的には1)CPPの透過促進機構の包括的解明、2)in silicoでの新規CPPの探索並びに非侵襲的デリバリーシステムの創製、3)in vivo毒性試験および4)PETイメージングを用いた臓器移行性の非侵襲的・速度論的解析を行うことを目指した。1)については、Caco-2細胞実験によりバイオ薬物-CPPの膜透過過程を分離して各素過程へのCPPの関与とCPP自身の細胞内動態を速度論的に明らかにすることができた。この成果はJ. Pharm. Sciに掲載された。2)では、数10種類のCPP構造改変体を合成し、分子軌道法による構造計算、分子間相互作用、吸収促進活性等の情報をin silico解析し、有力な新規吸収促進素子PenetraMaxを見いだし特許申請した。この成果はJ. Pharm. Sciに掲載された。 最終年度では2)で見出された新規CPPを経口および経鼻投与した結果、バイオアベイラビリティがそれぞれ20%および100%となる優れた成果が得られた。また3)CPPを単回および慢性投与後の粘膜(鼻および消化管)の組織学的評価および単回および繰り返し投与後の毒性試験を行い、生体への高い安全性が確認された。この成果はEur J Pharm. Biophamaceuticsに掲載された。4)についてはインスリンおよびCPPの経鼻投与におけるPETイメージングから開始し、実験条件を確立した。 以上の成果は、学術論文として5報(投稿中2報)ならびに2つの特許申請となり、膜透過技術を搭載したバイオ医薬の非侵襲的デリバリーの基盤技術を確立することが出来たと考える。
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Research Products
(11 results)