2013 Fiscal Year Annual Research Report
iNOSが分解されないマウスの作製とそれを用いたiNOS分解系の生理機能の解明
Project/Area Number |
23590066
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西屋 禎 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80399831)
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Keywords | SPSB / iNOS / CDC14A / FOG-2 / CTTNBP2 / E3 / ユビキチン化 / 蛋白質分解 |
Research Abstract |
最終年度は、前年度に作製したSPSBインヒビター(iNOSのアミノ酸1-118部分)を発現する遺伝子断片(ヒトβ-actinプロモーター-iNOS(1-118)-SV40 polyA)を日本SLC社に送り、SPSBインヒビターを全身の細胞で発現するトランスジェニックマウスの作出を行った。胚282個にインジェクションし、それらを10匹の仮親に移植し、結果的に雄15匹および雌23匹のF0マウスを得た。これらのマウスをジェノタイピングした結果、雄3匹および雌3匹で遺伝子の導入が確認された。これらのマウスを野生型C57BL/6マウスと掛け合わせて生まれてきたF1マウスの一部からも遺伝子の導入が確認された。そこで、それらのF1マウスから肝臓および腎臓を採取し、SPSBインヒビターの発現をイムノブロットで検討した結果、予想外にいずれのマウスの臓器からもSPSBインヒビターの発現が確認されなかった。 我々はiNOS以外のSPSBの基質探索も精力的に行い、これまでに細胞周期やがん抑制遺伝子p53の活性制御に関わるCDC14Aや、心臓、肺および雄の性腺の発生・発達に関わる転写制御因子FOG-2、ならびに神経樹状突起棘形成に関与するCTTNBP2の寿命がSPSBにより制御されていることを見出した。したがって、SPSBは、これらの重要分子の寿命を制御することにより、広範な生理機能の調節を担っていることが示唆された。SPSBの機能を阻害するSPSBインヒビターを全身の細胞で発現させると、マウスの発生に悪影響を及ぼすことにより、SPSBインヒビターを発現するF1マウスが得られなかったと推測される。今後は、Tet-Onシステムを用いて可逆的に全身の細胞でSPSBインヒビターを発現させる系を構築し、生体におけるSPSBの生理機能とその異常が原因で起こる病態の解明を進める。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] NKG2D+IFN-γ+ CD8+T cells are responsible for palladium allergy.2014
Author(s)
Kawano M, Nakayama M, Aoshima Y, Nakamura K, Ono M, Nishiya T, Nakamura S, Takeda Y, Dobashi A, Takahashi A, Endo M, Ito A, Ueda K, Sato N, Higuchi S, Kondo T, Hashimoto S, Watanabe M, Watanabe M, Takahashi T, Sasaki K, Nakamura M, Sasazuki T, Narushima T, Suzuki R, Ogasawara K.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 9(2)
Pages: 1-12
DOI
Peer Reviewed
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