2013 Fiscal Year Annual Research Report
イノシトールリン脂質脱リン酸化酵素欠損細胞を用いた小胞輸送系の解析
Project/Area Number |
23590078
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
櫨木 修 広島大学, 医歯薬保健学研究科, 教授 (80142751)
|
Keywords | phosphoinositide / 3'-phosphatase / 4'-phosphatase / 5'-phosphatase / RAW264.7 / shRNA / phagocytosis |
Research Abstract |
本研究では, 食作用・飲作用の過程を制御するイノシトールリン脂質代謝酵素ネットワークの全貌を理解することを目的とした。このために,RAW264.7 細胞を親細胞とし特定のイノシトールリン脂質脱リン酸化酵素に特異的な shRNA を安定発現させた一群の細胞クローンを作成した。欠損細胞の標的とした酵素は,イノシトールリン脂質3’位脱リン酸化酵素 PTEN・MTM1・MTMR2・Sac1・Sac3, 4’位脱リン酸化酵素 Inpp4a, 5’位脱リン酸化酵素 72-5ptase・SHIP-1・SHIP-2・synaptojanin2・SKIP である。これらの細胞が IgG 受容体を介して赤血球を貪食する過程における PtdIns(3)P, PtdIns(3,4)P2, PtdIns(3,4,5)P3 の 動態を観察・比較した結果(1)貪食開始初期に PI3Kαによって産生される PtdIns(3,4,5)P3 は PTEN によって PtdIns(4,5)P2 へと代謝される他、一部は、72-5ptase によって PtdIns(3,4)P2 に変換された後 Inpp4a によって PtdIns(3)P へと代謝されること(2)72-5ptase は PtdIns(3,4,5)P3 を分解することによって貪食量を負に制御する一方、食胞へ Rab5b を動員することにより Vps34 による PtdIns(3)P の産生を高めること(3)このような代謝動態は貪食される粒子のオプソニン化の状態により大きく変化し,その制御には抑制性 Fc 受容体が重要な役割を果たしていること、などの新知見を得た。
|
Research Products
(4 results)