2013 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー疾患発症における自然免疫系の意義に関する基礎的研究
Project/Area Number |
23590084
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
田中 宏幸 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (70264695)
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Keywords | 気管支喘息 / toll様受容体 / インターフェロン / アレルギー |
Research Abstract |
本研究では、特にアトピー型気管支喘息の発症頻度の増加メカニズムを、申請者らが確立したマウス喘息モデルを用いて、”アレルギー疾患発症におけるtoll-like receptor"をはじめとする自然免疫応答の意義”という観点に立ち、in vivoおよびin vitroの両面から解析することを目的とする。 昨年度までの成果から、ダニ抗原のマウス気管内への反復投与により、喘息様病態形成を誘発すること、さらにその一部はTLR9依存的であること、また、ダニ抗原中にはダニ抗原のgenomic DNAが混入していることを見出している。さらに、本モデルの表現系は一部インフラマソーム依存的であることもASC KOマウスを用いた検討から明らかにしている。 そこで、最終年度である平成25年度はTLR9のシグナル伝達の下流に位置するtype I IFNの意義をBALB/cマウスに7回以上戻し交配したその受容体(AR1)KOマウスを用いて検討した。その結果、野生型マウスでは従来通り、ダニ抗原の反復気管内投与により喘息様病態形成が認められたが、AR1KOマウスではIgG1産生は野生型マウスと差は見られなかったが、アセチルコリンに対する気道過敏性ならびに気管支肺胞洗浄液(BALF)中炎症性細胞数の有意な低下あるいは低下傾向が観察された。 また、ダニ抗原の気管内投与後の種々の時間に肺組織を単離し、DNA microarrayにより発現遺伝子の探索を行ったところ、ダニ抗原投与24時間以内に2~24時間まで持続的に発現が亢進していた遺伝子は15個であった。この中にはCCL22(MDC)、CCL17(TARC)などのTh2誘導性のケモカインや、CD83などの樹状細胞関連性の遺伝子も含まれていた。 今後、これらの遺伝子とTLR9のシグナルとの関連性などを調査していく予定である。
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