2013 Fiscal Year Annual Research Report
生体膜脂質酸化ホメオスタシスの破綻による新規細胞死の実行経路の解明
Project/Area Number |
23590089
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
今井 浩孝 北里大学, 薬学部, 教授 (50255361)
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Keywords | 細胞死 / 脂質酸化 / shRNAライブラリー / 化合物ライブラリー / GPx4 / 心不全 / 非アポトーシス |
Research Abstract |
生体膜脂質酸化ホメオスタシスの破綻による新規細胞死の実行経路を明らかにするために、化合物ライブラリーおよびshRNAライブラリーのスクリーニングを行い、新規細胞死を抑制できる候補遺伝子の探索を行った。タモキシフェン誘導型PHGPx欠損MEF細胞株を用いて、タモキシフェン添加による96時間後に致死となる細胞死を抑制する化合物やshRNAを同定した。化合物ライブラリーのスクリーニングからは、CDK4とMEKの関与を見出し、脂質酸化の下流でCDK4およびMEKの活性化が起きることを明らかにした。平成24年度までの研究において新規細胞死を抑制できることを明らかにできたshRNA群について、本年度はその抑制部位を明らかにするために研究を進めた。脂質酸化の上流あるいは下流で抑制しているのかについて脂質酸化を感知する蛍光色素を用いてフローサイトメトリー法を用いて解析した。ERKのリン酸化の上流で抑制しているのか、下流で抑制しているのかについてはERKのリン酸化抗体を用いた細胞蛍光抗体染色の解析から明らかにした。その結果、細胞死を強く抑制できる遺伝子のうち6遺伝子が、脂質酸化の上流で、また10遺伝子が脂質酸化からERKのリン鎖化の間で、6遺伝子が、ERKのリン酸化の下流で抑制していることを明らかにできた。これらの遺伝子はこれまでアポトーシスやネクローシス、オートファジー性細胞死の実行に関与することは知られておらず、脂質酸化を介するこの細胞死が、プログラム化された新規細胞死であることが明らかとなった。
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Research Products
(8 results)