2013 Fiscal Year Annual Research Report
好中球をターゲットとした重症喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の制御に関する研究
Project/Area Number |
23590093
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
奈邉 健 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (40228078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 暢明 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (90340447)
藤井 正徳 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (40434667)
安井 裕之 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (20278443)
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Keywords | 気管支喘息 / 慢性閉塞性肺疾患 / 好中球 / マクロファージ / 気道リモデリング / 遅発性喘息反応 / アレルギー / IL-33 |
Research Abstract |
前および前々年度の研究成果とこれまでの他者の報告より、難治性喘息の特徴である気道リモデリング(気道の構造変化)には、インターロイキン (IL)-33が鍵分子である可能性が示唆された。 そこで、2013年度は、IL-33の産生細胞およびその機序を、マウスモデルを用いて検討した結果、IL-33は、単回の抗原暴露では非アレルギー性に気道上皮細胞から産生されたが、繰り返し抗原暴露すると、気道上皮細胞に加え、気道に浸潤した肺胞マクロファージおよび樹状細胞からも産生されることが明らかとなった。 一方、難治性喘息を制御する方法として、前年度に引き続き、制御性T細胞の一種であるTr1細胞を用いた免疫療法の基礎的検討を行った。本年度は、試験管内でTr1細胞をさらに効率よく誘導する方法を検討し、誘導したTr1細胞が試験管内で特異抗原の刺激によって抗炎症サイトカイン、IL-10を産生することを明らかにした。 研究期間全体を通し、以下のことを明らかにした。(1)マウスにおいて、COPDモデルを作成することは困難であったが、好中球依存性の遅発性喘息モデルを確立した。(2)肺への好中球浸潤は、マクロファージ由来のIL-8(マウスではKCおよびMIP-2)が関与していた。(3)本喘息モデルで発症する気道リモデリングには、窒素ラジカルが関与することが示唆された。(4)気道上皮細胞、マクロファージ、樹状細胞から産生されるIL-33が気道リモデリングの鍵分子であることが示唆された。(5)喘息の難治化に伴い、Tr1細胞が生体内で増加し、IL-10を産生を介して好中球性気道炎症を負に制御していることが示唆された。(6)Tr1細胞は、試験管内でも脾細胞から誘導することが可能であり、誘導Tr1細胞は抗原特異的に反応しIL-10を産生した。 以上、本研究により、難治性喘息の発症メカニズムの一端が明らかになるとともに、それを制御すると考えられる新しい免疫療法の基盤技術を開発することができた。
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[Presentation] Roles of basophils and mast cells infiltrating the lung in murine asthmatic responses induced by multiple antigen challenges
Author(s)
Haruka Kida, Anna Takiguchi, Hiroki Wakamori, Keiichi Ishihara, Satoshi Akiba, Nobuaki Mizutani, Shin Yoshino, David D. Chaplin, Susumu Ohya, Takeshi Nabe
Organizer
15th International Congress of Immunology
Place of Presentation
Milan, Italy
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