2013 Fiscal Year Research-status Report
ポリグルタミン病における小胞体分子シャペロン発現調節機構の解析と治療への応用
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23590094
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山岸 伸行 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (60298685)
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Keywords | GRP78 / 伸長ポリグルタミン病 / ナリンゲニン |
Research Abstract |
本研究課題では、遺伝性神経変性疾患に分類される伸長ポリグルタミン病における小胞体分子シャペロンGRP78の発現減少のメカニズムを明らかにしてポリグルタミン病の新たな治療戦略の基盤を確立するとともに、新規GRP78誘導物質であるナリンゲニンのタンパク質凝集抑制効果を検討し、以下の結果を得た。 1)これまで用いていた伸長ポリグルタミン病モデル細胞はHeLa細胞に由来する細胞であったので、神経系に由来するPC12細胞の伸長ポリグルタミン病モデル細胞の作成を試みるとともに、一過性発現系を用いてグリオブラストーマ由来U251細胞、ニューロブラストーマ由来GI-1細胞におけるナリンゲニンのタンパク質凝集抑制効果を明らかにした。 2)これまでに2型糖尿病モデル動物においても肝臓でのGRP78の発現減少を明らかにし、培養細胞レベルではナリンゲニンがインスリンシグナルを増強することがわかってきたので、ナリンゲニン投与が2型糖尿病モデル動物の症状改善につながるかどうか検討し、インスリン抵抗性に若干の改善傾向が見られることが明らかになった。 現在、伸長ポリグルタミン病モデル動物においてもナリンゲニン投与の効果を調査しているが、本研究の成果により伸長ポリグルタミン病や糖尿病の治療標的としてのGRP78の発現制御が期待できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナリンゲニンの糖尿病モデル動物での効果などが明らかになりつつあり、当初計画した研究については概ね進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
伸長ポリグルタミン病モデル動物におけるナリンゲニン投与の効果として、ローターロッド試験、寿命の検討などを予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の研究経費のうち、約1%が次年度使用額として生じた。概ね計画通りに経費を執行したが、残金が生じた。 翌年度の研究経費とともに、神経変性疾患モデル動物におけるナリンゲニンの効果を検討する。
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