• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

LRGノックアウトマウスの解析による新規シグナル分子としてのシトクロムcの役割

Research Project

Project/Area Number 23590096
Research InstitutionOsaka University of Pharmaceutical Sciences

Principal Investigator

井上 晴嗣  大阪薬科大学, 薬学部, 准教授 (70183184)

Keywords生体分子 / 蛋白質 / 生理活性
Research Abstract

野生型マウスとLRGノックアウトマウスに、PBS、PBSに溶解した50ugまたは1mgのウマCyt cを7日間連続して腹腔内に投与した。これらのマウスから骨髄細胞を回収し、PE標識抗マウスGr-1抗体を用いてフローサイトメトリーで解析し、骨髄中の好中球の割合を調べた。その結果、野生型マウスではCyt cの投与量に依存して骨髄細胞中の好中球の割合が増加したが、LRGノックアウトマウスでは好中球の増加は認められなかった。また、Cyt c投与したマウスの血清を、抗Cyt cモノクローナル抗体と抗マウスLRG抗体を用いたウェスタンブロットにより解析したところ、血清中のCyt cは野生型マウスでのみ検出されたが、LRGノックアウトマウスでは全く検出されなかった。このことは、LRGノックアウトマウスでは投与したCyt cは直ちに尿中に排泄されるが、野生型マウスではCyt cはLRGと複合体を形成することによって血中に維持されることを示す。すなわち、血中Cyt cはLRGと複合体を形成し、それが好中球の増加を引き起こすシグナルとして機能すると考えられた。
LRGとCyt cの相互作用については、大腸菌でLysをAlaに置き換えた変異型Cyt cを多数作製した。これらの変異型Cyt cは大腸菌で発現させた後、イオン交換カラムクロマトグラフィーとHPLCを用いて精製しつつある。
一方、LRGが血管新生に関与するという報告があったので、HUVEC細胞を用いてLRGとCyt cの血管形成に及ぼす影響について調べた。しかし、LRGもCyt cもCyt c-LRG複合体も、HUVEC細胞における血管新生作用に対して特に影響を与えなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

LRGはCyt cのクリアランスに関与するという当初の仮説は否定されたが、Cyt cはLRGと複合体を形成することにより、Danger Signalとして機能することがわかってきた。

Strategy for Future Research Activity

Cyt c投与による好中球増加は、血中G-CSFの増加によるものなのか、ELISAで検討するとともに、G-CSFを産生する骨髄マクロファージを培養して、Cyt c-LRG複合体の作用について検討する。また、Cyt c-LRG複合体に対する受容体が存在すると考えられるので、その実体を明らかにしたい。
大腸菌で多数の変異型Cyt cを作製したので、Biacoreを用いてLRGとの相互作用を詳細に調べる予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度の研究費はすべて消耗品費に充てる。具体的には、一般試薬の他、ELISAおよびウェスタンブロット検出試薬、各種抗体、リアルタイムPCR用試薬などの分子生物学研究用試薬、各種細胞、細胞培養用培地、ウシ胎仔血清などの細胞培養用試薬、細胞培養用ディッシュ、マイクロプレート、チップ、マイクロチューブなどのプラスチック器具、ビーカー、メスシリンダー、試験管などのガラス器具の購入、LRGノックアウトマウスの維持に必要な経費などに充てる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 新規シグナル分子としての細胞外シトクロムcの役割2013

    • Author(s)
      井上晴嗣、村上弦大、伊狩光、土屋孝弘、藤井忍、福永理己郎、池田潔
    • Organizer
      日本薬学会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      20130327-20130330

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi