2013 Fiscal Year Research-status Report
宿主変異株を用いたC型肝炎ウイルスライフサイクルに関与する宿主因子の研究
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23590104
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
深澤 征義 国立感染症研究所, その他部局等, 室長 (20291130)
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Keywords | C型肝炎ウイルス |
Research Abstract |
Claudin 1抗体によるC型肝炎ウイルス感染阻害 本研究は、C型肝炎ウイルス(HCV)感染に耐性を示す宿主変異株の分離を通じて、HCV感染・産生に必須な宿主因子をゲノムワイドに検索・同定し、依然として未知の点の多いHCVライフサイクルに関わる宿主分子メカニズムを分子細胞生物学的に明らかにすることを目的としている。これまでに、1)HCV感染に耐性を示す宿主変異株の分離を試みた結果、全くHCVに感染しない細胞としてタイトジャンクション構成タンパク質Claudin 1の欠損株が複数分離され、本変異株にClaudin 1遺伝子を導入しその発現を戻すとHCV感染が回復したことから、Claudin 1がHCV感染において必須の分子であること、2)Claudin 1細胞外ドメインに対する4種のマウスモノクローナル抗体の樹立に成功し、培養細胞を用いたHCV感染系において、すべての抗体がHCV感染を容量依存的に阻害すること、を示してきた。本年度は、まず、当該抗体の安全性を培養細胞レベルで検討した。抗体処理により、Claudin 1のタイトジャンクション局在が阻害されないこと、タイトジャンクションのインテグリティ・バリア機能は影響を受けないことが示された。また、ヒト肝臓キメラマウスを用いた動物実験レベルでの当該抗体の感染阻害能の検討も行った。検討した2種の抗Claudin 1抗体投与により、HCV感染が有意に阻止されることも明らかとなった。以上の結果から、Claudin 1細胞外ドメインを認識する抗体等のプローブが抗HCV薬になり得る可能性を昨年度よりさらに一歩進めて提示することができたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も、特に進展のあったClaudin-1抗体を用いた解析について研究実績の概要に記載した。他のHCV感染に耐性を示す宿主変異株の分離と性状解析についても進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究が進展しているClaudin 1を標的とした抗HCV創薬研究については、抗Claudin-1モノクローナル抗体の改変等を進めより適したプローブの作製を行う予定である。 また、これまでのスクリーニングで分離されたHCV耐性変異株について、さらにその性状解析を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の進展を鑑み、本年度は抗体の実験を中心に進めた。そのため、高額の培養細胞の費用や培養細胞にかかる実験補助の謝金を計上しなかった。 次年度は、高額の培養細胞の費用や培養細胞にかかる実験補助の謝金を当初予定額に加えて計上する予定である。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] Inhibition of hepatitis C virus infection by mouse anti-claudin 1 monoclonal antibodies2013
Author(s)
Masayoshi Fukasawa, Shotaro Nagase, Mayo Yamashita, Manami Iida, Yoshitaka Shirasago, Akihiro Watari, Tetsuro Suzuki, Takaji Wakita, Kiyohito Yagi, Masuo Kondoh
Organizer
The 20th International Symposium on Hepatitis C Virus and Related Viruses
Place of Presentation
Melbourne, Australia
Year and Date
20131009-20131011
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