2013 Fiscal Year Annual Research Report
プレセナリン複合体の成熟・分化機構を基盤とした新規アルツハイマー病治療戦略の開発
Project/Area Number |
23590110
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
前田 智司 岩手医科大学, 薬学部, 准教授 (60303294)
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Keywords | プレセニリン複合体 / ニカストリン / アルツハイマー / 小胞体 / 小胞体関連分解 / シノビオリン / Rer1 / OS-9 |
Research Abstract |
我々は、amyloid beta産生制御をプレセニリン複合体の構成因子の成熟・分解機構に焦点をあて、新規アルツハイマー病の治療薬の開発を目指した研究を行っている。これまでに、小胞体局在ユビキチンリガーゼであるシノビオリンがプレセニリン複合体の基本構成因子の1つであるニカストリンの分解およびamyloid beta産生促進に関与していることを明らかにした。さらに、ニカストリンの小胞体―ゴルジ体の移動制御に関わるRer1の分解にシノビオリンが関与していること、さらに、amyloid beta の産生制御にもシノビオリン-Rer1分解系制御が関与していることを明らかにし、この結果を論文をとしてまとめた。また、ニカストリンの成熟機構についても検討を行った。リボソームで翻訳されたニカストリンは小胞体に送られ、糖鎖修飾後、小胞体シャペンロンであるカルネキシンにより折りたたみ異常の有無を検査され、正常なニカストリンはゴルジ体に送られ、折りたたみ異常なニカストリンはユビキチンープロテアソーム系により分解される。そこで、シノビオリン欠損細胞においてニカストリンの正常な糖鎖修飾が行われているか、カルネキシンとの相互作用の検討を行った。その結果、ニカストリンとカルネキシンの相互作用は観察されなかった。一方、小胞体関連分解を促進することが報告されているOS-9とニカストリンとの相互作用を検討した結果、OS-9とニカストリンの相互作用が観察された。さらに、糖鎖プロセッシング阻害剤であるツニカマイシンを用いて糖鎖修飾パターンをシノビオリン欠損細胞と野生型で比較した結果、糖鎖修飾パターンに差異がみられた。今後詳細な検討を行う。また、小胞体関連に関与しているHomocysteine-induced ER protein (Herp)の分解機構についても解析を進めており、現在論文作成中である。
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Research Products
(1 results)