2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23590117
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
石毛 久美子 日本大学, 薬学部, 教授 (40212873)
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Keywords | GR103691 / ROS / HT22細胞 |
Research Abstract |
前年度までに、GR103691(GR)を出発物質として合成した構造類似体の中に、脳梗塞のin vitroモデルであるHT22細胞における低酸素再酸素化処置(H/R)誘発細胞死を抑制する化合物を複数見いだした。また、それらの中には、現在、脳梗塞治療薬として臨床応用されているエダラボン(EDA)およびGR自体よりも低濃度で抑制作用が認められた化合物が存在した。本年度は、まず、保護作用を示した化合物のうち、非常に類似している化合物群(数群)について保護作用の濃度依存性および最大の保護効果を詳細に比較検討し、保護作用を示すための構造上の特徴の一部を明らかにした(構造式が記載できないので詳細は省略)。また、構造から推定したlogP値から、脂溶性の高い化合物の方が強い保護作用を示すことが明らかになり、少なくとも一部膜透過性が関与することが推察された。保護メカニズムに関しては、前年度までに、再酸素化直後のROSの急激な上昇を抑制することを明らかにした。そこで、本年は、Apoptosis Signal-regulating Kinase (ASK)1やNfr2とそれらの関連因子の動態を中心に検討した。これら因子のWestern blot法による検出の至適条件を確立し、H/Rの影響を調べたが、現在まで、顕著な影響は認められていない。今後、時間依存性など詳細な検討を追加し、結論を導きたいと考えている。また、ROS上昇後にどのような変化(膜脂質過酸化等の変化)が起きているのかについても明らかにすべきであると考えている。本研究課題の最も大きな成果は、GRを出発物質として合成した化合物中にEDAよりも強い保護薬候補物質を複数見いだし、脳保護薬またはそのリード化合物として有用であることを明かにしたことである。今後、メカニズム等についてさらなる検討を重ね新規治療薬の開発に貢献したいと考えている。
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Research Products
(4 results)