2012 Fiscal Year Research-status Report
コンプレックスI選択的阻害剤ナフレジンーγの第二次構造活性相関研究
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23590132
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
有馬 志保 北里大学, 薬学部, 助教 (20276158)
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Keywords | 医薬品化学 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
Nafuredinならびにnafuredin-γはNADH fumarate reductase (complex I)の選択的阻害剤であり、動物実験においても優れた結果を示すことが明らかとなっている。そこで新たな作用機作を有する新規抗寄生虫薬として今後開発が大変期待されているが、物理化学的な安定性や種々の誘導化が難しいなど、実用化に向けて幾つかの問題点が存在する。上記の問題を解決すべく、申請者は効率的な全合成経路を確立し、それを駆使した第二次構造活性相関研究を進めるべく①安定性向上を目指した側鎖部の変換、②現在までに得た構造活性相関の知見を基にした新たな新規誘導体の合成を行うことにより、nafuredin-γを基盤とした新規complex I選択的阻害剤の実用化へ向けた種々の有機化学的アプローチを進めていくことも目的として研究に着手している。H24年度はH23年度に引き続き主に、nafuredin-γ側鎖ジエン部の改良による安定性向上を目指した数種の誘導体の合成を行った。その合成方法は、これまでに申請者のグループが確立したnafuredin-γの全合成経路を応用し、ラクトン環と改良した側鎖部をカップリングするコンバージェントな方法を採用した。さらに合成した数種の新規誘導体に関して活性評価を行った。その結果nafuredin-γの活性には及ばないものの、安定性が向上された新規誘導体を数点見出し、新たな構造活性相関の一知見を得ることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Nafuredin-γは側鎖部に存在するジエンが空気酸化を受けやすく、濃縮すると時間の経過と共に分解してしまうという欠点を有している。これはnafuredin-γの医薬品としての実用化に対して致命的な問題点である。そこで平成23年度は、安定性向上を目指した側鎖ジエン部の改良を試み、側鎖ジエン部をモノエンへと変換した誘導体の合成及び活性評価を数点行った。その結果、nafuredin-γに及ばないまでも安定性が向上された誘導体を見出すことに成功した。そこで当該年度においてもH23年度に引き続き、更なる安定性向上を目指した誘導体合成を行い、側鎖ジエン部を変換した誘導体の合成と活性評価を実施し、安定性向上の為の新知見を見出すことに成功している。そのため「研究の目的」の達成度は、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
(平成25年度:より詳細なラクトン部分の三次元的構造活性相関研究) すでに申請者のグループにより合成されているnafuredin-γのラクトン部分に特化した新規誘導体の構造活性相関研究により得られている興味深い知見を基に、新規誘導体合成を進めるとともにファーマコフォアの更なる考察を行い、5位水酸基を除去した誘導体、カルボニル基を持たない2,5-ジヒドロフラン環を有する誘導体等を設計しnafuredin-γの構造簡略化を進めていく。H23年度及びH24年度と同様に合成した新規誘導体は迅速に活性評価を行い構造活性相関検討の後、更なる最適化を行い、結果の取り纏めを行う予定である。研究結果に関しては、まず新規誘導体の特許を取得し、随時関連する学会での発表や論文を通して公表して行く予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度は、H23年度に購入した試薬、溶媒及び当該研究室にある物品を効率的に利用し合成研究を行った。そのため次年度使用額(747,250円)が発生した。本年度は、これまでに合成した誘導体に関する詳細な生物活性試験も行う予定であり、そのための酵素を含む試薬及び消耗品等の購入に次年度使用額を充填する予定である。 合成実験及び活性試験を行うための試薬を含む物品費:1,447,250円 研究成果を発表する学会参加の旅費:120,000円 共同研究先への人件費・謝礼:60,000円 論文作成時の英文校正費及び印刷代としてその他:20,000円 直接経費として計1,647,250円(次年度使用額747,250円を含む)を使用する計画である。
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