2013 Fiscal Year Annual Research Report
コンプレックスI選択的阻害剤ナフレジンーγの第二次構造活性相関研究
Project/Area Number |
23590132
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
有馬 志保 北里大学, 薬学部, 助教 (20276158)
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Keywords | 医薬品化学 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
Nafuredinならびにnafuredin-γは寄生虫のNADH fumarate reductase (complex I)の選択的阻害剤である。動物実験においても優れた結果を示すことが明らかとなっており、新たな作用機作を有する新規寄生虫薬としての開発が期待されている。しかしながら物理化学的な安定性や種々の誘導化が困難であるなど、実用化に向けて幾つかの問題点が存在する。この問題点を解決すべく、効率的な全合成経路を確立し、それを駆使した第二次構造活性相関研究を進めるべく①安定性向上を目指した側鎖部の変換、②現在までに得られている構造活性相関の知見を基にした新たな新規誘導体の合成を行うことにより、nafuredin-γを基盤とした新規complex I選択的阻害剤の実用化へ向けた種々の有機化学的アプローチを進めて行くとこを目的として研究に着手した。H23年度とH24年度は、nafuredin-γ側鎖ジエン部の改良による安定性向上を目指し数種の誘導体合成を行った。その合成方法は、これまでに申請者のグループが確立したnafuredin-γの全合成経路を応用し、ラクトン環と改良した側鎖部をカップリングするコンバージェントな方法を採用した。さらに合成した数種の新規誘導体に関して活性評価を行った。その結果、活性に関してはnafuredin-γには及ばないものの飛躍的な安定性の向上が認められた新規誘導体を数点見出すことに成功した。H25年度は、H23年度及びH24年度で得た結果を基に、実用化に向けラクトン部の簡素化を行い、数種の誘導体の合成と活性評価を行った。その結果、簡便に合成出来る新規誘導体を得ることができ、また新たな構造活性相関に関する知見を得る結果となった。
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