2012 Fiscal Year Research-status Report
ビタミンD受容体のポケット構造を制御するリガンドの戦略的創製
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23590135
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山本 恵子 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (90147017)
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Keywords | ビタミンD / ビタミンD受容体 / アナログ / 結晶構造 |
Research Abstract |
当該年度は、ビタミンD受容体のb-シート側のポケット構造を変化させるリガンドの創製を目指した。b-シート近傍はループも比較的多く、ポケット構造を変化させることが可能ではないかと考えた。そこでb-シート近傍のCys288に着目し、このCys288にリガンドを共有結合させたならば、構造を変化させることができるのではないかと考えた。そこで、モデリングソフトSYBYLを用いて種々検討した結果、A環の2位にエノン構造をもつ置換基を導入することで、共有結合を形成できる可能性が示唆された。A環の2位からエノンまでの長さを変化させることで、Cys288までの距離を調節すると同時に、長さの違いがポケット構造の変化に繋がることも期待できる。具体的には4種の化合物を設計し、合成に着手した。ビタミンDのA環部はキナ酸を出発原料として合成を開始した。その結果、基本骨格は合成できた。現在、2位にエノン構造をもつ置換基を導入するために種々の反応を検討中である。CD環は、ビタミンD2より4段階でGrundmann ketoneを得た。また、昨年度から引き続き行ってきたブチルポケット形成のアゴニズム・アンタゴニズム発現への影響を結晶構造解析から明らかにした。また、ブチルポケットに関する論文 “Butyl Pocket Formation in the Vitamin D Receptor Strongly Affects the Agonistic or Antagonistic Behavior of Ligands”が、アメリカ化学会のJournal of Medicinal Chemistryにpublishされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブチルポケット形成リガンドの結晶構造解析に成功した。 b-シート側のポケット構造を変化させることを目指したリガンドの設計と合成も若干遅れているが、ほぼ順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度使用する予定の研究費が生じた理由は、本年度はコンピュータを用いた化合物設計に時間を要したことから若干合成の進行が遅れているためである。次年度は、2位にエノンをもった置換基導入法を確立し、構造変化を結晶構造解析で確認する。また、当初の予定に従って、ボトム領域のポケット構造を変化させるリガンドを設計し、合成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用する予定の研究費が生じた理由は、コンピュータを用いた化合物設計に時間を要したことから若干合成の進行が遅れているためである。次年度は、当初計画を上回る合成を行う予定である。
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Research Products
(3 results)