2013 Fiscal Year Annual Research Report
異物代謝能の個人差を考慮した化学物質のリスク評価法の開発研究
Project/Area Number |
23590148
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Research Institution | Yokohama College of Pharmacy |
Principal Investigator |
埴岡 伸光 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (70228518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成松 鎮雄 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20113037)
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Keywords | リスク評価法 / 異物代謝酵素 / シトクロムP450(UGT) / UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT) / フタル酸エステル類 / iPS細胞 |
Research Abstract |
生体異物を解毒・活性化する「異物代謝酵素」の機能の個人差に着目し、ヒトを取り巻く化学物質のリスク評価法の開発を目指す。(1)ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)や哺乳動物由来の不死化細胞における異物代謝酵素の環境的要因による変動メカニズムを分子レベル(mRNA及びタンパク質発現レベル並びに酵素活性)で解明する。(2)メタボロミクス手法を用いて異物代謝酵素の補因子の生合成経路に関与する生体内物質の化学物質による量的変動を網羅的に解析する。(3)モデル化学物質に内分泌化学物質などを用いてそのin vitro代謝の遺伝的要因に基づく異物代謝酵素の機能変動を多角的に解析・整理して各個人の体質を考慮した化学物質のリスク評価法を開発する。 本年度は、ヒトiPS細胞(253G1株及びDotcom株)から分化誘導した肝細胞様細胞のUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)及びシトクロムP450(CYP)のmRNA発現解析を行った。その結果、253G1株由来の肝細胞様細胞において成人肝で発現している6種類のUGT分子種(UGT1A6、UGT2B4、UGT2B7、UGT2B10、UGT2B11及びUGT2B15)のmRNA発現が確認された。Dotcom株由来の肝細胞様細胞では、253G1株由来の肝細胞様細胞において発現しているUGT分子種に加えてUGT1A1及びUGT2B17のmRNAが発現していた。また、3-メチルコラントレンによりCYP1A1、CYP1B1及びUGT1A1の mRNA発現が誘導されたことから、本研究において作製したヒトiPS細胞由来の分化誘導肝細胞には薬物代謝酵素の発現を制御する機能が備わっていることが示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Butylbenzyl phthalate hydrolysis in liver microsomes of humans, monkeys, dogs, rats and mice2014
Author(s)
Takahara Y, Kinashi Y, Takahara Y, Hichiya H, Okada K, Murata M, Shigeyama M, Hanioka N
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Journal Title
Biol Pharm Bull
Volume: 37
Pages: 703-706
Peer Reviewed
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