2011 Fiscal Year Research-status Report
膜破壊型殺菌消毒剤を活用した細菌の多剤耐性獲得に関する転写調節因子の分子機構解明
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23590157
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
前田 拓也 兵庫医療大学, 薬学部, 准教授 (40270300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 孝雄 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (80243731)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 薬剤耐性 / 殺菌消毒剤 / 転写調節因子 |
Research Abstract |
平成23年度の研究実績の概要は以下の通りである。1)marオペロンメンバー高発現株作製、タンパク質単離、アフィニティーカラム作製: PCR、電気泳動ゲル撮影装置等を用いて、marオペロンメンバー:MarR、MarA、MarBの高発現株を作製中である。加えて、高発現株を取得次第、タンパク質単離、アフィニティーカラム作製を実施する準備を行っている。2)膜破壊型殺菌消毒剤耐性菌の取得: 膜破壊型殺菌消毒剤であるカチオン性の第四アンモニウム塩の存在下で馴養培養しながら薬剤感受性を測定することにより耐性菌の取得を行った。結果、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウムについて耐性菌を取得することが出来た。3)薬剤耐性化菌株および通常菌株のプロテオーム解析: 2)で耐性菌が得られたので、タンパク質電気泳動システムを用いてプロテオーム解析を実施する準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に記載したように、平成23年度は1)marオペロンメンバー高発現株作製、タンパク質単離、アフィニティーカラム作製2)膜破壊型殺菌消毒剤耐性菌の取得3)薬剤耐性化菌株および通常菌株のプロテオーム解析を完了する予定で、2)については完了したが、1)、3)について実施中である。したがって、「研究の目的」の遂行上、今後の研究の推進方策により十分達成は可能であるので、その達成度について「やや遅れている」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進計画については以下のように予定している。H24年度:1)アフィニティーカラムによる転写調節因子親和性物質の取得、2)転写調節因子と相互作用していると推定されるタンパク質遺伝子の破壊株作製、3)遺伝子破壊株の殺菌消毒剤耐性化試験、4)殺菌消毒剤耐性化に関与しているタンパク質の同定H25年度:1)耐性関与タンパク質と転写調節因子との分子間相互作用解析、2)耐性関与タンパク質と転写調節因子との結合様式のバイオインフォマティクス解析、3)細菌の殺菌消毒剤耐性化機構の全体像解明、4)耐性菌の新規制御方法の提案なお、前年度の未完了項目については、それらを優先して実施しながら、可能な範囲で並行して上述項目について遂行する計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、遺伝子工学的、タンパク質化学的研究が主であるので、分子生物学的実験用試薬や電気泳動用試薬等の購入のための物品費を執行する予定である。またこれまでの研究成果を学会発表や報文として公表するために、国内旅費や研究成果投稿料などのその他の経費についても執行する予定である。
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