2012 Fiscal Year Research-status Report
膜破壊型殺菌消毒剤を活用した細菌の多剤耐性獲得に関する転写調節因子の分子機構解明
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23590157
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
前田 拓也 兵庫医療大学, 薬学部, 准教授 (40270300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 孝雄 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (80243731)
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Keywords | 多剤耐性 |
Research Abstract |
平成24年度の研究進捗状況は以下の通りである。 1)marオペロンメンバー高発現株および遺伝子破壊株の作製、タンパク質単離、アフィニティカラム作製 PCR、電気泳動ゲル撮影装置等を用いて、marオペロンメンバー:MarR、MarA、MarBの高発現株および遺伝子破壊株を作製中、またアフィニティーカラム作製を準備中である。 2)薬剤耐性化菌株および通常菌株のプロテオーム解析 膜破壊型殺菌消毒剤であるカチオン性の第四アンモニウム塩の存在下で馴養培養しながら薬剤感受性を測定することにより耐性菌の取得を行った。結果、塩化セチルピリジニム、塩化ベンザルコニウムについて耐性菌を取得することが出来た。得られた耐性菌を用いてタンパク質電気泳動システムを用いてプロテオーム解析を行った。またプロテオーム解析を含むバイオインフォマティクス解析システムの構築も同時に行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に記載したように、平成24年度は 1)薬剤耐性化菌株および通常菌株のプロテオーム解析 2)marオペロンメンバー高発現株および遺伝子破壊株の作製、タンパク質単離、アフィニティカラム作製 を行う予定で、1)については完了したが、2)について継続実施中である。 したがって、今後の研究の推進方策により達成は可能であるので、その達成度について「やや遅れている」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進計画については以下のように予定している。 H25年度: 1)アフィニティーカラムによる転写調節因子親和性物質の取得、2)転写調節因子と相互作用していると推定されるタンパク質遺伝子の破壊株作製、3)遺伝子破壊株の殺菌消毒剤耐性化試験、4)殺菌消毒剤耐性化に関与しているタンパク質の同定、5)耐性関与タンパク質と転写調節因子との分子間相互作用解析、6)耐性関与タンパク質と転写調節因子との結合様式のバイオインフォマティクス解析、7)細菌の殺菌消毒剤耐性化機構の全体像解明、8)耐性菌の新規制御方法の提案 なお、前年度の未完了項目については、それらを優先して実施しながら、並行して上述項目について遂行する計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、遺伝子工学的、タンパク質化学的研究およびコンピューターを用いたバイオインフォマティクス解析が主であるので、分子生物学的実験用試薬や電気泳動用試薬等の購入のための物品費、また計算機使用料などを執行する予定である。またこれまでの研究成果を学会発表や報文として公表するために、国内旅費や研究成果投稿料などのその他の経費についても執行する予定である。
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