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2011 Fiscal Year Research-status Report

酵素を利用したサリン等の神経剤分解法の開発と汚染除去法に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23590163
Research InstitutionNational Research Institute of Police Science

Principal Investigator

大森 毅  科学警察研究所, 法科学第三部, 室長 (70356195)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 川原 一芳  関東学院大学, 工学部, 教授 (20195126)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords有機リン系化合物 / 神経剤 / 有機リン分解酵素
Research Abstract

OPH遺伝子への変異の導入を試みた。Sphingobium fuliginis ATCC 27551からクローニングしたOPH遺伝子をテンプレートとし、任意の場所に塩基置換を導入したOPH遺伝子を作成した。この手法により、136Leu、254Tyrおよび257Hisの3箇所のアミノ酸を置換したOPH、KGU0094(野生株 136Leu、254Tyr、 257His)、KGU0094m(Leu136Tyr)、KGU0211(Leu136Asp)、KGU0225(His257Leu)、KGU0227(Tyr254His)、KGU0245(Tyr254Arg、His257Leu)を作成した。続いて酵素活性の測定および基質特異性の検討を行った。(1)パラオキソン分解活性:遺伝子変異を導入したOPHでは、KGU0211、KGU0094mおよびKGU0225でパラオキソン分解活性はほとんど確認できなかった。活性が確認できた酵素では、KGU0227はCo2+が活性化に有効であり、KGU0094はZn2+が有効であった。KGU0245では両イオンの差は認められなかった。なお、最も高い活性を示した酵素はKGU0227であった。(2)各種神経剤分解活性:サリン(GB)、ソマン(GD)、タブン(GA)、シクロヘキシルサリン(GF)およびVXの分解活性を調べた。その結果KGU0227がGB、GD、GAおよびGFをほぼ完全に分解し、VXを6種の酵素中では最も効率よく分解した。KGU0245はこれに次いで神経剤分解の効率が高かった。KGU0211およびKGU0225はGA、GB、GDおよびGDは効率よく分解したがVXの分解効率が悪かった。またKGU0094mは野生株であるKGU0094よりも神経剤分解活性は低下した。また神経剤分解活性における活性化に必要な金属イオンの種類・濃度についても調べた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

塩基置換を導入したOPHを5株作成することができた。これらの酵素に野生株を含めた6種類の酵素について活性化最適条件の検討を実施し、引き続いて神経剤5種の分解活性の測定を実施できている。またOPHにHistidine-Tagを導入した酵素タンパクの調製も達成できており概ね当初の予定通りに研究が進行できているものと考えている。

Strategy for Future Research Activity

遺伝子変異を導入したOPHを作成し、それらの神経剤分解活性の特性の検討を実施することができたので、今後はさらに活性特性の検討を進めるとともに、神経剤分解溶バイオリアクターの試作に向けた検討として、OPH大量精製法の検討およびバイオリアクターの試作を実施する。Histidine-Tag導入酵素を精製し、ニッケルカラムにキレーティングさせることで固定したバイオリアクターを作成する。バイオリアクターにより神経剤の分解が起きていることを確認する。さらに分解効率を上げるための水溶液の透過速度や反応温度、バイオリアクターの再利用の可能性や、活性を保持できる保管条件等について最適条件を検討する。 さらにE. coli 培養液中からのOPHの簡易、迅速な大量精製法を検討する。大型バイオリアクターに使用可能なレベルの粗精製には、イオン交換カラムクロマトグラフィーとゲルろ過カラムクロマトグラフィーを組み合わせた方法を検討する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究費は主に消耗品費である。OPH遺伝子を導入したベクタープラスミドを組み込んだE.coliを培養するための器具・試薬類、酵素活性測定のための器具・試薬類、酵素精製のための器具・試薬類およびバイオリアクター試作のための器具・試薬類の購入に充当する予定である。その他の用途として、研究成果の中間発表のための学会参加登録費および出張旅費、論文投稿のための英文校閲、投稿経費としての支出を予定している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 2011

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] Organophosphorus hydrolaseのアミノ酸置換による改良と精製法の検討2012

    • Author(s)
      中山 公介、大森 毅、瀬戸 康雄、有路 沙織、石川 暁志、川原 一芳
    • Organizer
      2012年度日本農芸化学会
    • Place of Presentation
      京都
    • Year and Date
      2012年3月23日
  • [Presentation] 変異導入したOrganophosphorous hydrolaseの神経剤分解活性2011

    • Author(s)
      大森 毅、川原 一芳、石川 暁志、中山 公介、金森 美江子、瀬戸 康雄
    • Organizer
      第84回日本生化学会
    • Place of Presentation
      京都
    • Year and Date
      2011年9月22日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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