2013 Fiscal Year Annual Research Report
ノロウイルスとサポウイルスの網羅的検出による地域流行像の解明
Project/Area Number |
23590166
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Research Institution | Aichi Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
小林 慎一 愛知県衛生研究所, 生物学部, 室長 (30139737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 照夫 愛知県衛生研究所, 生物学部, 部長 (40402177)
廣瀬 絵美 愛知県衛生研究所, 生物学部, 技師 (20525802)
安達 啓一 愛知県衛生研究所, 生物学部, 主任 (60564854)
中村 範子 愛知県衛生研究所, 生物学部, 技師 (10518757)
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Keywords | ウイルス / ノロウイルス / サポウイルス / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
ノロウイルス(NoV)とサポウイルス(SaV)は、同じカリシウイルス科に属し、ヒトの非細菌性胃腸炎の主要な原因ウイルスである。両ウイルスともに、組織培養法で増殖できないことや感染動物モデルもないことから、ウイルスの感染機構、複製機構、病原性などの基礎的な研究が遅れている。NoVとSaVの両ウイルスともに、ゲノム組換えを起こし易いウイルスであることから、ヒトと哺乳動物の間で新たなリコンビナント株が出現し、地域流行を引き起こす可能性がある。哺乳動物の中で、ブタは人獣共通感染症の病原体に感受性が高く、ヒトへの感染拡大に関わる頻度が高いことが知られている。そこで、今年度は、愛知県の肥育ブタにおけるNoV及びSaVの感染状況をブタ型とヒト型ウイルスの検出用プライマーを用いて調査した。検査した80検体のうち、8検体(10%)がヒト型NoV陽性、9検体(11.3%)がブタ型NoV陽性であった。遺伝子解析の結果、ヒト型NoVはGII.2:7検体とGII.4:1検体、またブタ型NoVはGII.11:4検体、GII.18:3検体、GII.19:1検体に遺伝子型別された。一方、ヒト型SaVは全て陰性であったが、4検体(5.0%)がGIIIに分類されるブタ型SaV陽性であった。本研究を通じて、ブタにおけるNoVとSaVの感染環は不明であるが、地域内の肥育ブタが多様なNoV及びSaVに感染、保持している実態が明らかとなった。
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