2013 Fiscal Year Research-status Report
薬物代謝酵素CYP3Aの雌性優勢発現におけるエピジェネティック調節の役割
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23590172
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
佐久間 勉 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 准教授 (30250468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河崎 優希 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 助教 (30432107)
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Keywords | 性差 / CYP / 発現調節 / マウス / エピジェネティック |
Research Abstract |
H24年度までのレポーター遺伝子アッセイ等を用いた検討により、Cyp3a41遺伝子のメス特異的発現に対しHNF4αとCOUP-TFIIの転写促進的な相互作用が関与している可能性が示された。H25年度はその機構の検証を進めた。マウス肝細胞初代培養系におけるCyp3a41、HNF4α、COUP-TFIIのmRNA発現の関係を比較したところ、Cyp3a41とHNF4αの間には正の相関が認められCyp3a41遺伝子転写への関与を支持する結果が得られた。一方、Cyp3a41とCOUP-TFIIとの間には負の関係が観察され、siRNAを用いた解析においても同様の関係が認められた。これらの結果はレポーター遺伝子アッセイから推測される機構と一見矛盾するものであり、調節モデルの再構築とその検証を行っている。 Cyp3a41遺伝子転写調節領域のクロマチン構造とホルモンとの関係をCHART-PCR法を用いて解析した。これまでの研究によりCyp3a41遺伝子発現に対し、グルココルチコイドホルモン(GCH)とメス型分泌の成長ホルモン(GH)が協調的に作用し転写を活性化することが明らかになっている。マウス肝細胞初代培養系を用い、Cyp3a41遺伝子HNF4α応答領域のクロマチン構造に対する上記ホルモンの影響を単独あるいは同時添加により解析したところ、GCHはいずれの条件でも影響を与えなかった。一方GHのメス型処理は、Cyp3a41遺伝子の転写が抑制されているオス由来肝細胞において、クロマチン構造を弛緩させる方向に作用した。この結果はGHのメス型分泌がクロマチン構造に影響を与えることでCyp3a41遺伝子のメス特異的発現をもたらす可能性を支持し、更に解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験材料としているマウス初代培養肝細胞の調製において、研究室がある建物の改修工事の影響もあり一昨年以来問題が生じ低収率が続いた。それに起因した遅れがH25年度も研究の進行に影響した。 本研究は性特異的遺伝子発現の分子機構解明を最終目的としている。クロマチン構造の変化を介したエピジェネティックな調節を想定し解析を開始したが、当初予想と異なる可能性も見いだされ、その点について解析を加えたことも一因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス初代培養肝細胞の調製効率が回復してきたので、今年度は順調に解析を進める事が出来ると思われる。Cyp3a41遺伝子のメス特異的発現に対してCOUP-TFIIの関与を示唆する結果が得られていたが、H25年度の解析によってモデルの再構築が必要になった。H25年度とそれ以前の解析は評価している現象が異なる(レポーター遺伝子活性とmRNA発現)ため、その点を踏まえたモデルの再構築と更なる解析を実施する。クロマチン構造と性特異的発現の関係については、GH依存的なクロマチン修飾の有無を探索する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上述の理由により研究の進行が遅れたため、次年度使用額が生じた。さらにCOUP-TFIIの性特異的発現への関わりについても解析を進めるため補助事業期間延長を申請し承認を受けた。 次年度使用額は、タンパク質-タンパク質相互作用の解析に必要な試薬(ウエスタンブロット解析用試薬、抗体など)の購入に充当する。
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