2011 Fiscal Year Research-status Report
副作用マネジメントと毒性回避のための臨床薬物動態研究
Project/Area Number |
23590173
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
崔 吉道 金沢大学, 大学病院, 准教授 (40262589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 謙一 金沢大学, 大学病院, 教授 (30100514)
西村 友宏 慶應義塾大学, 薬学部, 助教 (40453518)
澤本 一樹 金沢大学, 大学病院, 助教 (80608696)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 医薬品副作用 / 薬物体内動態 / 血中濃度モニタリング / リネゾリド / ゲムシタビン / 臨床試験 / 非線形 / チーム医療 |
Research Abstract |
本研究は、各種病態時の対象薬とその代謝物の薬物体内動態変動と副作用発現をヒト臨床試験や動物モデル等で明らかにし、患者個人に最適な薬物投与設計の確立と・副作用マネジメントを目的に以下の検討を行った。1. 持続的血液濾過透析(CHDF)施行中にリネゾリド(LZD)を投与された症例について、LZDと2種類の主要代謝物の薬物動態の変化を検討した。その結果、血中の代謝物濃度は健常人と比べて顕著に上昇しており排泄遅延による蓄積が示唆された。腎機能障害時には骨髄抑制等の副作用リスクが上昇することから、LZDの適正使用のために血中濃度モニタリングの必要性が示唆された。2. 膵がん肝転移症例に対するゲムシタビン(GEM)肝動注化学療法による骨髄抑制と血中濃度の非線形性の解明を目的としてヒト試験を進めている。本年度は、ラットの肝動脈にカニュレーションを施し、GEMの肝取り込みと血中動態の濃度依存性を検討した結果、臨床血中濃度付近で肝抽出率の飽和性を示唆する予備的な結果が得られた。GEM輸送との関連性が予想されるトランスポーターの輸送特性について種々株を用いて予備的な検討を行った。3. 研究計画調書提出後の検討結果をふまえて、対象薬剤にジゴキシン等を追加し、経腸栄養剤長期投与後の動態変動について検討を開始した。4. 急性心筋梗塞に用いられる低用量アスピリンの制酸緩衝性製剤と腸溶製剤を咀嚼服用時の即効性をヒトで検証するため、健常人を対象に両製剤を通常および咀嚼服用後の血中アスピリン濃度や血小板凝集能を4群クロスオーバー法で試験した。その結果、腸溶性製剤を咀嚼服用後は制酸緩衝性製剤とほぼ同等の動態を示し、速やかに血小板凝集を抑制することが確認され、診療ガイドラインの推奨を支持する薬物動態学的、薬力学的なエビデンスが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・平成23~24年度に計画した臨床試験は症例を集積途中であるが、おおむね順調に進展しており、一定の成果を得て、一部学会発表を行った。24年度中の完了に向けて症例の集積を着実に進める必要がある。・一方、平成24年度、25年度に予定していたジゴキシンの体内動態変動やヌクレオシドトランスポーターの輸送特性の解明については、前倒しで予備的な知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
・臨床試験の症例の集積を着実に進める。・リネゾリドについては、腎機能障害の影響に加えて、併用薬の影響についても検討する。・ゲムシタビン及びその他の薬剤については、動物実験と細胞を用いた実験を予定通り進める。・医薬品による副作用回避の実際について、本院の臨床薬剤師の協力を得て調査を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の予算執行状況は、研究がおおむね順調に進展し、学会での成果発表旅費の割合が高まったが、総額ではほぼ計画通りで2万円弱を次年度に持ち越した。平成24年度もおおむね計画通り執行することが可能な見込みである。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Role of amino acid transporter LAT2 in the activation of mTORC1 pathway and the pathogenesis of crescentic glomerulonephritis2011
Author(s)
Kurayama R, Ito N, Nishibori N, Fukuhara D, Akimoto Y, Higashihara E, Ishigaki Y, Sai Y, Miyamoto K, Endou H, Kanai Y, Yan K
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Journal Title
Lab Invest
Volume: 91(7)
Pages: 992-1006
DOI
Peer Reviewed
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