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2012 Fiscal Year Research-status Report

腸神経系が関与する消化管疾患時における薬物吸収挙動の解析

Research Project

Project/Area Number 23590181
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

檜垣 和孝  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60284080)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 木村 聰城郎  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10025710)
大河原 賢一  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30291470)
Keywords腸神経系 / セロトニン / 有機アニオン系薬物 / 分泌 / Mrp2 / BCRP / Ussing type chamber / ラット単離小腸粘膜
Research Abstract

消化管は、中枢神経系とは独立した腸神経系(ENS)により、その運動・機能が制御されている。また、近年では、様々な消化器疾患にENSが関与していることが報告されており、病理学的、薬理学的観点からも、ENSと消化器疾患との関連性の解明が重要視されている。特に、ENSにおける神経伝達物質として、また消化管ホルモンとして消化管の機能制御に深く関わっているセロトニンは、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患では、粘膜中のセロトニン含量が少ないことが、逆にセリアック病やカルチノイド発症時やシスプラチン投与時に見られる消化器障害には粘膜中セロトニン含量が高いことが知られており、セロトニン異常と疾患の関係、更には疾患時の薬物吸収挙動の変化とその機構解明は、薬物治療の観点からも極めて重要となる。本年度は、作製したセロトニン枯渇ラットを用い、有機アニオン性化合物の吸収動態に及ぼすセロトニン枯渇の影響を検討した。実験は、セロトニン枯渇ラットより単離した小腸粘膜を用い、Ussing type chamberにより、モデル化合物phenol red (PR) の吸収性変化を検討することにより行った。その結果、セロトニン枯渇ラットでは、コントロールラットに比べて吸収方向の膜透過が減少し、分泌方向の膜透過に有意な増大が見られた。そこで、阻害剤を用いて、PRの分泌方向の輸送に関与する担体について検討を行った。Mrp2の基質であるプロベニシド、インドメタシン、BCRPの基質であるノボビオシン、ミトキサントロンを阻害剤として用いたところ、いずれもPRの分泌方向の輸送を有意に抑制することが明らかとなった。また、その阻害の程度は、コントロールラットの場合と比較し有意に大きく、これら輸送担体のPR分泌に対する寄与がコントロールに比し、セロトニン枯渇ラットにおいて有意に大きいことが示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

セロトニン枯渇ラットにおいて、有機アニオン系化合物の吸収方向の透過が有意に低下し、それが分泌方向の輸送の亢進によることを見出した。また、分泌方向の輸送亢進が、Mrp2およびBCRPの活性増大によることを明らかにできた。また、セロトニン症候群モデルラットにおいても基礎的な検討に着手した。

Strategy for Future Research Activity

セロトニン枯渇時における有機アニオン系化合物の経口吸収挙動について、phenol redをモデル化合物として、小腸の膜透過性、消化管内移行性等に焦点をあて検討を進める。また、Mrp2、BCRPのタンパク発現量についても定量的評価を行い、両タンパク質の機能亢進について検討を進める。また、セロトニン症候群モデルラットの作製に成功したので、同モデルラットを用いて、セロトニンレベル亢進時における種々の薬物の経口吸収挙動について、検討を進めていく予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

前年度よりの繰越額 \523,547 と平成25年度支給予定額 \800,000により、薬品や実験動物などの消耗品を購入する予定。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] セロトニン症候群発症時における薬物の経口吸収挙動に関する基礎的研究2012

    • Author(s)
      中島 駿
    • Organizer
      日本薬剤学会第27年会
    • Place of Presentation
      神戸国際会議場
    • Year and Date
      20120524-20120526

URL: 

Published: 2014-07-24  

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