2013 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞における新規耐性マーカーとしてのARF―GEP100の検討
Project/Area Number |
23590194
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
蓬田 伸 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (80230845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
染谷 明正 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90167479)
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Keywords | 癌 / 抗がん剤耐性 / P-糖タンパク質 / ARF-GEP100 / ARF6 / Doxorubicin |
Research Abstract |
ARF-GEP100(p100)は、ARF(ADP-ribosylation factor)を活性化する因子として発見され、様々な細胞機能に関与することが知られている。一方、P-糖タンパク質(Pgp) は抗癌剤に対する多剤耐性を獲得したがん細胞において発現しており、種々の抗がん剤を細胞外に排出輸送する。このことから、Pgpは多剤耐性因子として位置づけられており、Pgpの抗癌剤排出機能を阻害することにより多剤耐性の克服が期待されている。そこで我々は、p100が薬剤耐性化に伴うPgpの発現への関与とバイオマーカーの可能性についてをDoxorubicin(DOX)に対する耐性細胞を作製し検討した。 K562細胞を低濃度のDOX存在下で継代培養し、耐性細胞を作製した。p100およびPgpの発現は、特異抗体を用いてWestern blottingで検討した。 DOXを処理したK562細胞におけるp100やPgpの発現を経時的に確認した。その結果、Pgpの発現が確認されるとp100の発現が増加することが確認された。Pgpは、糖鎖付加により細胞膜に移動したうえでリン酸化を受け薬剤排出ポンプとして機能することから、p100の細胞膜画分における発現の変化を検討した。その結果、p100は細胞膜画分において増加することが確認された。さらに、Pgpに対する抗体を用いて、免疫沈降を行ったところ、p100とPgpがともに回収された。p100は乳癌細胞においてARF6を活性化し、浸潤や転移を関与することが報告されたいる。そこで、siRNAを作成しPgpとp100の発現を検討したところ、ARF6のノックダウンでは、Pgpやp100の発現は変化しなかった。 以上のことから、p100はPgpの発現にともなって増加し、ARF6が関与しないpathwayによってPgpの発現に影響を与えることが示唆された。
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