2013 Fiscal Year Annual Research Report
眼圧降下と視神経保護を同時標的とした新しい緑内障治療薬の開発
Project/Area Number |
23590208
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
伊藤 吉將 近畿大学, 薬学部, 准教授 (50128633)
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Keywords | ピログルタミン酸 / 緑内障 / シクロデキストリン / 眼圧 / 視神経 / 一酸化窒素 / 眼瞼適用ゲルパッチ / 網膜 |
Research Abstract |
ピログルタミン酸を用い眼圧降下及び視神経保護を標的とした緑内障治療への応用及びその作用機構についての解明を目指し、平成25年度は昨年度作成したピログルタミン酸点眼製剤の眼内動態の解明及び網膜、視神経への薬物到達システムの確立を中心に検討を行った。 1.ピログルタミン酸点眼液点眼後の眼内動態:ピログルタミン酸点眼液点眼後の眼内移行性を確認したところ、速やかな角膜透過が確認できた。これら結果は、H24年度明らかとした眼圧降下作用を裏付けるものであり、本点眼製剤が新規緑内障治療薬として応用可能であることを示した。一方、これまでの研究にて、ピログルタミン酸が視神経賦活作用を有していることをすでに明らかとしているが、本点眼製剤では薬物の網膜への到達が難しく、新たな投与システムの確立が必要であった。 2.眼瞼適用ゲルパッチ「貼るめぐすり」の開発とその有効性:点眼製剤の状態では網膜への薬物送達が困難であったことから、網膜への薬物到達を目指した眼瞼適用ゲルパッチを新たに作成した。これら眼瞼適用ゲルパッチはアクリル酸重合基剤を用い、瞼へ直接貼ることが可能であり、涙液及び眼内へ長時間にわたり薬物送達が可能であることを明らかとした。 以上の結果より、L-ピログルタミン酸を含む点眼液は高い角膜透過性を有していることを明らかとした。また、水酸化アウミニウムゲルを基剤に用いた眼瞼適用ゲルパッチとピログルタミン酸を用いることで、眼圧降下と視神経保護を同時標的とした新しい緑内障治療薬の開発へつながる可能性を見出した。
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Research Products
(3 results)