2011 Fiscal Year Research-status Report
プラコードと神経堤の細胞間相互作用を司る分子基盤の解明
Project/Area Number |
23590224
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
池田 啓子 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10265241)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | プラコード / 神経堤 / Six遺伝子群 / エンハンサー / マウス / Cre / レーザーキャプチャー / 細胞間相互作用 |
Research Abstract |
1. プラコードと神経堤の細胞系譜の解析: 感覚器と脳神経節プラコードでの遺伝子発現を指令する特異的エンハンサー(Six1-21とSix1-8)を同定し、それらの制御下でCreを発現する2系統の遺伝子改変マウスを得た。Six1-21エンハンサーは、鼻・耳・上鰓神経節プラコードで、Six1-8エンハンサーは三叉・上鰓神経節プラコードで、特異的に下流遺伝子の転写を活性化する。最近、これらのエンハンサーマウスのエンハンサー活性特異性に、胚個体によるばらつきがあることが判明した。原因として、複数のlocusにエンハンサーDNAがはいってしまっていることが考えられたため、バッククロスをすすめ検定をくりかえしている。著名な改善がない場合、発生初期段階で何らかの原因により、エンハンサー非依存的にCreが発現してしまうと考えられるが、その場合の対策も検討中である。神経堤細胞特異的にCreを発現する2系統の遺伝子改変マウスおよびSix1欠損マウスやSix1/4二重欠損マウスは維持されている。用いる抗体の特異性および適正固定時間、抗体希釈率、適正バッファー、抗原賦活化の要/不要等の免疫染色の条件検討は終了した。2. プラコードと神経堤の細胞間相互作用を司る候補因子の探索:野生型マウスのプラコード細胞と神経板細胞を単離した。当初の予定では神経板細胞ではなく、神経堤細胞であったが、標識せずに純度の高い神経堤細胞を単離することが極めて困難であったため、変更した。組織学的に同定した該当領域を、レーザーキャプチャーダイセクション(LCM)法にて単離した。単離した細胞からRNAを抽出した。各RNAの品質検定は終了した。現在、マイクロアレイデータを解析中である。発現量が有意に異なる遺伝子をin situ ハイブリダイゼーション法等で確認予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エンハンサーマウスのエンハンサー活性特異性に、胚個体によるばらつきがあることが判明したため。原因として、複数のlocusにエンハンサーDNAがはいってしまっていること、もしくは発生初期段階で何らかの原因により、エンハンサー非依存的にCreが発現してしまうことを考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
バッククロスにて著名な改善が無い場合、個々の胚(Creに依存して蛍光トレーサーmRFPを発現するマウス(申請者が以前所属した研究室で作成)、Six1欠損マウス、Six1/4二重欠損マウスと交配して取得した胚)のレベルでプラコード特異的エンハンサー活性であったかどうかを検証できる実験に変更する。この場合、観察すべき胚が取得できる確率が極めて低くなるため、妊娠マウスおよび胚が多量に必要になる。胚の数を増やす以外の、他の有効な方策を模索しつつ、現在マウスコロニーを増やしている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マウス飼育に伴う業務やGenotyping用のPCR実験操作を支援してくれる、実験補助者への謝金。購入抗体、培養等に必要な試薬、ガラス・プラスティック器具、プライマーのためのオリゴヌクレオチド等の消耗品。国内、海外の学会参加のための交通費。アレイ解析委託費。
|