2013 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋形成におけるWNTファミリーとTGFベータファミリーの相互関係
Project/Area Number |
23590227
|
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
濃野 勉 川崎医科大学, 医学部, 教授 (20098619)
|
Keywords | WNT / TGFβ / 骨格筋 / 筋分化 / miRNA / βカテニン / Smad1/5 |
Research Abstract |
マウス筋芽細胞株C2C12およびマイオスタチンに拮抗作用を示すWNT4を過剰発現しているC2C12由来株(C2C12-W4-08)を用いて筋分化の誘導過程で変動するmRNAを24k cDNAマイクロアレイで調べると、POSTN, KIF7, KITL, IL2RA, WNT4, BMP4, DCN, COX6A2, NOV, OGN, ASPNが共通して誘導されていた。しかしながら、BMP4とその結合タンパク質であるノギンを用いて筋分化に対する影響を調べると、TGFβファミリーはTroponin Tの発現を有意に抑制する。BMP4の効果はノギンによって拮抗され、ノギン単独ではTroponin Tの発現を促進することから、内因性のBMPファミリーは筋分化抑制のシグナルとして機能しているようである。BMP4依存性のSmad1/5リン酸化は筋分化を抑制するWNT3Aでも、筋分化を促進するWNT4でもリン酸化を促進する効果が見られた。ノギン存在下でBMPシグナルを遮断すると、WNT3AとWNT4の共存によって増殖抑制と顕著な筋分化の誘導が見られた。これらの結果は異なるシグナル伝達経路で作用すると考えられているWNT/βカテニン系とBMP/Smad系が筋分化の誘導過程で部分的に干渉していることを示唆する。 同じ条件下でmiRNAの変動をマイクロアレイで調べると、WNT4過剰発現と血清飢餓による筋分化の誘導でmiR-206, miR-133a, miR-133bが上昇し、miR-487b, miR-3963, miR-6412は低下していた。これらをC2C12へトランスフェクトすると増殖期ではmiR-133b, miR-487b, miR-3963で顕著な分化抑制が見られる。今後はこれらmiRNAのターゲットを含めて機能解析を進め、WNT4の下流で機能する筋分化シグナルを明らかにする。
|
Research Products
(4 results)