2012 Fiscal Year Research-status Report
オートファジーにおけるリソソーム膜タンパク質LAMPー2の役割
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23590244
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
古田 晶子 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤助教 (50229118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 正人 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80347210)
佐々木 光穂 順天堂大学, 医学部, 助教 (20432536)
砂堀 毅彦 順天堂大学, 医学部, 助教 (00407115)
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Keywords | リソソーム / オートファジー / ダノン病 / LAMP-2 / 心筋症 / リソソーム蓄積病 / シャペロン介在性オートファジー |
Research Abstract |
リソソーム膜タンパク質 lysosome-associated membrane protein-2 (LAMP-2) は、肥大型心筋症、自己貪食空胞性ミオパチー、精神発達遅滞を主徴とするダノン病の原因遺伝子であり、サブタイプのひとつLAMP-2Aは、シャペロン介在性オートファジー(CMA)の受容体として知られている。平成24年度は、ヒトのダノン病剖検症例を検討し、その神経病理所見をActa Neuropathologicaに発表した。また、23年度に引き続きLAMP-2欠損マウスの解析を行った。 今回報告したダノン病の剖検症例は31歳男性。ダノン病の3主徴があり、LAMP-2 exon 6-skipping変異が確認されている。脳の神経細胞では、骨格筋、心筋、肝臓と異なり、オートファジー空胞は見られず、グリコーゲン顆粒の蓄積もなかった。神経細胞にリポフスチン顆粒、戻し電顕で神経細胞の細胞質に蓄積物質が認められた。また、リン酸化タウ陽性神経細胞が動眼神経核にみられ、黒質神経細胞にマリネスコ小体が散見された。Corpora amylaceaも多数認められた。これらの所見はリソソーム分解不全による蓄積物質の貯留と加齢促進現象であると考えられ、リソソームの機能と加齢の関係が示唆された。ダノン病で認められた蓄積物質の貯留はLAMP-2欠損マウスでもみられた。神経細胞の細胞質に見られた蓄積物質の形態は糖脂質が示唆され、物質の同定を試みたいと考えている。 さらに、病的状態におけるLAMP-2の機能を解析するため、12週齢で中大脳動脈閉塞モデル、7日齢で低酸素脳虚血モデルを作製し、LAMP-2欠損マウスと野生型マウスを比較したところ、欠損マウスの方が致死率が多かった。今後、病変の検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトのダノン病の剖検例を詳細に検討したことにより、現在までに記載されていなかった中枢神経系病変の概要が明らかになった。脳虚血低酸素モデル解析は、LAMP-2欠損マウスにおける病態形成の機序解明につながると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、今年度得られた結果をもとに、病態形成にどのようなシグナル伝達系が関与するか検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Discovery of a novel type of autophagy targeting RNA2013
Author(s)
Fujiwara Y, Furuta A, Kikuchi H, Aizawa S, Hatanaka Y, Konya C, Uchida K, Yoshimura A, Tamai Y, Wada K, Kabuta T
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Journal Title
Autophagy
Volume: 9
Pages: 403-9
DOI
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[Journal Article] Lysosomal storage and advanced senescence in the brain of LAMP-2-deficient Danon disease2013
Author(s)
Furuta A, Wakabayashi K, Haratake J, Kikuchi H, Kabuta T, Mori F, Tokonami F, Katsumi Y, Tanioka F, Uchiyama Y, Nishino I, Wada K
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Journal Title
Acta Neuropathol
Volume: 125
Pages: 459-461
DOI
Peer Reviewed
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