2013 Fiscal Year Annual Research Report
外分泌腺細胞核・ミトコンドリアでの膜の可塑性とイオンチャネル連関
Project/Area Number |
23590254
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸山 芳夫 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00133942)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 喜理 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60455780)
風間 逸郎 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60593978)
|
Keywords | 核膜空間 / レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
核を覆う二層の膜系(内側および外側核膜)は、それらの形成する核膜腔およびそれらに接する核質(ヌクレオプラズム)と細胞質(サイトプラズム)を含め、核周辺複合体を形成している。われわれの標本では、核は支持体である細胞骨格系から開放されており、自由な可塑性・変形性が許されている。レーザー共焦点顕微鏡システム本体(Degital Eclipse C1)をNikon社より貸借し、既得の蛍光画像と比較しつつ、蛍光断層画像を得た。われわれの標本(小胞体・核標本:マウス膵腺腺房細胞を単一細胞レベルにまで単離し、次いで低浸透圧処理を施す)では、色素(DiOC6:小胞体膜指向性グリーン蛍光)の濃いスポット状部分と薄い平面上部分が識別され、前者は核を取り巻く小胞体の重畳構造(膜の点状塊あるいは核孔への陥入部分)に、後者は核全体を取り巻く一層の外側核膜に由来すると考えられた。その根拠として、膜の流動性および核孔構造の強い膜曲率部の存在が前者に、パッチークランプ法giga-sealの形成可能性(現実に形成できる)が後者において考えられる。いっぽう、水溶性色素(lucifer yellow)を細胞内へ注入すると、核(核ヌクレオプラズム)が選択的に染色され、通路としての核孔の関与が確認できるが、小胞体・核標本では同色素での染色はなく、この通路は閉鎖されている。また、周囲イオン環境をKClよりチャネル不透過のCs-methansulfonateに変化させる(またその逆に)と、核ヌクレオプラズム領域の縮小(拡大)がある。このことは核孔が正常であれば起こりようがない。これらの知見により、核膜の核孔への陥入そしてそれによる核孔の閉鎖が強く疑われた。現在、この点をさらに明確にすべく、lucifer yellowの標本核膜腔への注入を試みている。
|
Research Products
(1 results)