2011 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症の発現に関わる前頭前野および扁桃体に対するモノアミンの作用
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23590269
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
田中 永一郎 久留米大学, 医学部, 教授 (80188284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 恵良 久留米大学, 医学部, 准教授 (40322820)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 前頭前野 / 第II - III層 / 錐体細胞 / 多形細胞 / 静止電位 / 活動電位 / ドパミン / シナプス電位 |
Research Abstract |
成熟ウィスター系雄ラット前頭前野スライス標本から細胞内記録記録を行うと、錐体細胞の静止膜電位は-71±10 mV, 膜入力抵抗は42±14 MΩ, 活動電位の閾値は-47±7 mV, 振幅は91±9 mV, half widthは0.95±0.19 msecであった。一方、多形細胞(非錐体細胞)の静止膜電位は-74±10 mV, 膜入力抵抗は43±10 MΩ, 活動電位の閾値は-46±9 mV, 振幅は87±18 mV, half widthは1.18±0.59 msecで、多形細胞の方が静止膜電位は深く、活動電位振幅が低く、half widthも広い傾向にあった。錐体細胞では、弱い電気刺激(持続時間200 μs, 強度2-3 V)で興奮性シナプス後電位(EPSP)のみ誘起され、さらに刺激強度を増すと抑制性シナプス後電位(IPSP)が誘起され、EPSPの発生閾値は2 V、IPSPの発生閾値は3.5 Vであった。EPSPはAMPA型グルタミン酸受容体拮抗薬でほとんど抑制され、イオン透過型グルタミン酸受容体の活性化で誘起されていると考えられる。IPSPは速い成分(数十ms)と遅い成分(数百ms)に分けられ速い成分はGABAA受容体を介するCl-電位であると考えられ、IPSPの遅い成分はGABAB受容体を介するK+電位であると思われた。ドパミンの灌流投与(1 - 10 μM)を行って得られたドパミン誘起電位は、約8%の錐体細胞で5 mV前後の脱分極電位が、18%の多形細胞で5 mV前後の脱分極電位のみ、あるいは過分極電位のみがみられ、ドパミンに対する直接応答の頻度が錐体細胞と多形細胞で差があった。EPSPに対するドパミンの作用は100 nMより高濃度で抑制がみられることが多く、IPSPに関してはIPSPの速い成分、遅い成分ともに100 nMより高濃度で抑制が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ドパミンの灌流による直接の電位変化がなかなか見られず、ドパミンの効果を見つけるのに時間がかかったこと。
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Strategy for Future Research Activity |
前頭前野第II-III 層スライス標本(厚さ250 μm)を作製し、近赤外微分干渉顕微鏡を用いてスライスパッチを行い、ドパミンによるEPSCおよびIPSCの抑制機序について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ドパミンは神経終末に存在するであろうモノアミントランスポーターで再取り込みを受けていて、そのためにドパミンの効果が出難いことも考えられるので、ドパミンではなくドパミン受容体作働薬を使用する事も考える。
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Research Products
(1 results)