2011 Fiscal Year Research-status Report
青斑核ノルアドレナリンニューロンの選択的破壊法を用いた睡眠・覚醒の神経機構の解明
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23590281
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
高橋 和巳 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90325952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 純正 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (80183812)
井樋 慶一 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (60232427)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 青斑核 / ノルアドレナリン / 睡眠・覚醒 |
Research Abstract |
本研究では、睡眠・覚醒機構の重要な要素である青斑核のノルアドレナリンニューロン群を、イムノトキシンを用いた選択的細胞破壊法によってマウスの成熟後に破壊し、睡眠・覚醒の発現量、発現パターン、脳波・筋電活動、さらに睡眠・覚醒の中枢機構を構成する種々のニューロン群の単一ユニット活動を解析する。本年度はノルアドレナリンニューロンにヒトインターロイキン-2受容体αサブユニットを発現するマウスを繁殖させ、イムノトキシン注入10日後にTH抗体を用いた免疫染色法によって実際に青斑核のノルアドレナリンニューロンのみが破壊されていることを確認した。脳波の記録実験を行い、睡眠・覚醒状態を解析した結果、睡眠量、覚醒量ともにノルアドレナリンニューロンの破壊による変化は見られなかった。しかし覚醒状態については1回あたりの持続時間が短縮し、断片化が観察された。このことは青斑核ノルアドレナリンニューロンが覚醒状態の維持に重要な役割を果たしていることを示唆している。自発ニューロン活動の記録実験は腹側視索前野、視床下部後部、脳幹などで脳波・筋電図との同時記録を行っているが、現在のところ有意な結果は得られておらず今後さらに実験を重ねる。また、ラットを用いた微小電極による電気刺激実験を行えるように準備を進めている。現在ノルアドレナリンニューロンにヒトインターロイキン-2受容体αサブユニットを発現するラットを繁殖中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスの作成と同時に実験手法を確立し、脳波記録による結果も得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
震災等により、物品購入などの研究費の使用が遅れたため。今後はより多くのニューロン活動記録を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画から特に大きく変更することはない。
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