2012 Fiscal Year Research-status Report
ラットゴナドトロピン放出ホルモンニューロンの興奮性を規定するイオンチャネルの解明
Project/Area Number |
23590284
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Research Institution | University of Tokyo Health Sciences |
Principal Investigator |
加藤 昌克 東京医療学院大学, 保健医療学部, 教授 (90143239)
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Keywords | GnRH neuron / SK channel / KCNQ channel / Kv7 / rat / GnRH-EGFP / transgenic / patch clamp |
Research Abstract |
生殖神経内分泌系において中心的な役割を担うのはGnRHニューロンである。そこで本研究では、GnRHニューロンの細胞生理学的解析の一環として、膜興奮性を規定するイオンチャネルの解析を進めている。我々は、ラットGnRHニューロンに見られる緩徐後過分極電流がSKチャネルの特異的阻害剤であるアパミンで抑制されることを報告しているが、昨年度からの継続で、KCNQチャネル阻害剤であるXE-991の効果を検証した。その結果、XE-991は、アパミンよりも弱いが、抑制効果を示した。さらにKCNQとアパミンの同時投与で、緩徐後過分極電流が完全に抑制された。以上からラットGnRHニューロンに見られる緩徐後過分極電流はSKチャネルとKCNQチャネルによって運ばれていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度は緩徐後過分極電流に関与するイオンチャネルの解析を中心に実験を進めた。まず、SKチャネルの特異的阻害薬であるアパミンの効果を確認した。前回の報告(Kato et al., 2003)と同じく、平均で80%の抑制であった。つぎに、KCQN(Kv7)チャネルの阻害薬であるXE-991の効果を検証した結果、約50%の抑制が見られた。また、両薬剤の同時投与で、ほぼ100%の抑制が得られた。これらの実験結果は、ラットGnRHニューロンに見られる緩徐後過分極電流がSKチャネルとKCNQチャネルによって運ばれることを示唆する。また、海馬ニューロンとの比較のために、UCL2077についても実験を行ったが、海馬と同様に抑制効果が見られた。しかしこの薬物は阻害するチャネルの同定がなされておらず、非特異的効果の可能性もある。以上から、ラットGnRHニューロンの緩徐後過分極電流に関与するイオンチャネルは神馬ニューロンなどのそれとは違うと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度の結果を確認するために実験を追加する。また、アパミンとXE-991が同一のチャネルに作用している可能性もあるので、その点を検証する実験を考案・実行する。また、スライス標本での実験を行い、これらのチャネルの膜興奮性に対する影響を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ラットの飼育と実験に必要な消耗品の購入を計画している。
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Research Products
(2 results)