2013 Fiscal Year Annual Research Report
ラットゴナドトロピン放出ホルモンニューロンの興奮性を規定するイオンチャネルの解明
Project/Area Number |
23590284
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Research Institution | University of Tokyo Health Sciences |
Principal Investigator |
加藤 昌克 東京医療学院大学, 保健医療学部, 教授 (90143239)
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Keywords | GnRH neuron / SK channel / Kv7 / KCNQ / Nalcn / Unc-80 / HCN |
Research Abstract |
本課題の目的は、GnRHニューロンの膜興奮性を規定するイオンチャネルの研究である。第一に、ソマトスタチン(SST)で活性化されるKチャネルについて解析した。Cell-attached patch-clampで活動電流を記録し、SSTの効果を検証した。その結果、約60-70%の細胞で抑制がみられた。また、Whole-cell patch-clampでは約30%の細胞で膜コンダクタンスの増加を確認した。ソマトスタチン受容体の発現をRT-PCRで検証した結果、Sstr1-5の発現がみられ、特にSstr2が高発現であった。SSTニューロンとGnRHニューロンの形態学的関係を共焦点顕微鏡で解析した。その結果、ラット1匹あたり、約30個の密な接触がみられた。以上の結果から、ソマトスタチンはGnRHニューロンに弱い抑制を及ぼすと考えられ、その作用はシナプスを介するのでなく、液性調節であることが示唆された。次に、GnRHニューロンに発現する緩徐後過分極に関与するイオンチャネルの解析を行った。その結果、SKチャネルとKv7(KCNQ)チャネルが関与することが明らかになった。これら2種類のチャネルの関係を現在解析中である。RT-PCRの結果から、GnRHニューロンの緩徐後過分極はSK3チャネルとKv7-2チャネルの活性化で起こることが示唆された。最後に、上記に加えてナトリウムチャネルの発現をRT-PCR法で解析した。その結果、Nalcn(Na+ leak channel), Unc-80, HCN(hyperpolarization-activated cNucleotide-gated channel)の発現が明らかになった。 以上のKチャネル、NaチャネルおよびK2P, Kir, GIRKなどの関与によってGnRHニューロンの静止膜電位(-60mV)が作られていると考えられる。
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