2011 Fiscal Year Research-status Report
長期宇宙滞在に向けた体系的なカウンターメジャーの確立
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23590288
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
西村 直記 愛知医科大学, 医学部, 講師 (40278362)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 模擬宇宙環境実験 / 人工重力負荷 / 運動負荷 |
Research Abstract |
ヒトが宇宙飛行から帰還した際には、心循環系、骨代謝系、筋骨格系、体温調節系、自律神経系等に不具合(宇宙デコンディショニング)がおこることが知られている申請者らは、宇宙デコンディショニングに対する対抗措置として、短腕式遠心機を用いた人工重力負荷と自転車漕ぎを用いた運動負荷の組み合わせを提唱し、模擬宇宙環境(-6°ヘッドダウンベッドレスト)実験中に上記の装置を用いた対抗措置の効果について検討した。その結果、1日累積30分間の対抗措置を行わせることで種々の宇宙デコンディショニングを予防もしくは軽減できることが明らかとなった。 申請者らが提唱した人工重力負荷と運動負荷の組み合わせは、2009年にJAXAが国際公募した「ライフサイエンスおよび宇宙医学分野の国際宇宙ステーション利用実験テーマ募集」に採択され(代表者:岩瀬 敏)、フライト実験が行われる予定である。しかしながら、国際宇宙ステーションに搭載予定の人工重力・運動負荷装置は、設置スペースの関係上、我々が使用している人工重力負荷装置(直径4mの短腕式)よりも更に小型化されなければならず、小型化された人工重力負荷と運動負荷のプロトコールを確立する必要性が求められている。 本年度は、(1)これまで我々が使用してきた人工重力・運動負荷装置を小型化に改良する、(2)これまで仰臥位姿勢で行っていた人工重力負荷や運動負荷を椅座位に改良し、これまでの装置と同様の効果が得られるか否かについて予備実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで我々が使用してきた人工重力・運動負荷装置は、大学の都合上で移設せざるを得なくなったが、移設先を探し、了解を得るのにかなりの時間を要したため、装置の改良が遅れた。また、移設費や設置場所(岐阜医療科学大学7号館)の電源工事等、想定外の費用が発生したため、今年度は予備実験を行うのみに終わった。
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Strategy for Future Research Activity |
改良した人工重力・運動負荷装置を用いて追加実験を行い、これまで我々が用いてきた装置と同様の効果が得られるか否かを詳細に検討する。もし、効果が得られることが明らかとなれば、模擬宇宙環境実験を行い、その効果について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新たな装置に更なる改良が必要となればその費用として算出する。また、模擬宇宙環境実験の被験者謝礼金や消耗品の購入費に当てる予定である。
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