2013 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞と血管内皮細胞の相互作用を改善する天然資源物質の解析
Project/Area Number |
23590291
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
上嶋 繁 近畿大学, 農学部, 教授 (30193791)
|
Keywords | 脂肪細胞 / 血管内皮細胞 / 天然資源物質 / 肥満 / 抗血栓性 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
前年度までに確立した実験系を用いて、奈良県の伝統野菜として古くから親しまれている結崎ネブカと大和マナの脂肪細胞存在下における血管内皮細胞の遊走能に対する効果を検討した。二層培養の下槽に脂肪細胞を培養し、上槽に血管内皮細胞を播種して、上槽底に装着したフィルター膜の下面に遊走する血管内皮細胞の数から遊走能を評価した。結崎ネブカと大和マナの水抽出物は脂肪細胞の分化に伴う油滴蓄積量を減少させたが血管内皮細胞の遊走能には影響を及ぼさなかった。また、脂肪細胞と血管内皮細胞の共培養時の培養液中血栓溶解活性(u-PA活性)についても、コントロール群と結崎ネブカ群または大和マナ群で有意差は認められなかった。 平成24年度の研究成果として、天然資源物質であるCyanidin-3-Glucoside Chloride (C3G)と海洋性腐植土水抽出物質がいずれも、脂肪細胞存在下における血管内皮細胞の遊走能を有意に減弱させたことが挙げられる。そこで、高脂肪食を投与したラットを用いて、海洋性腐植土水抽出物質の動脈硬化症進展に及ぼす影響、抗肥満効果および抗血栓性効果について検討した。海洋性腐植土水抽出物質を高脂肪食とともにラットに投与したところ、オイルレッド-O染色で評価した大動脈脂質沈着量はコントロールよりも低下していた。また、海洋性腐植土水抽出物質を高脂肪食とともにラットに投与したところ、コントロールと比較して脂肪組織重量は有意に減少していたが、体重には有意な差を認められなかった。さらに海洋性腐植土水抽出物質の投与はユーグロブリン分画中の線溶活性を有意に増強し、抗血栓性の増強作用が認められた。本研究にて、抗肥満作用と抗血栓性作用を示す天然資源物質をin vitroとin vivoで明らかにすることができた。この研究実績は健康寿命の延長と生活習慣病の減少を実現させる食品を開発する上で非常に意義深い。
|
-
-
[Journal Article] Lack of both α2-antiplasmin and plasminogen activator inhibitor type-1 induces high IgE production.2013
Author(s)
Okada K, Ueshima S, Kawao N, Yano M, Tamura Y, Tanaka M, Sakamoto A, Hatano M, Arima M, Miyata S, Nagai N, Tokuhisa T, Matsuo O.
-
Journal Title
Life Sci.
Volume: 93
Pages: 89-95
DOI
Peer Reviewed
-
-