2013 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性微小血管障害でのc-SrcとMAPキナーゼの役割解明と分子創薬
Project/Area Number |
23590306
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
吉栖 正典 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60294667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 健太郎 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (80507393)
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Keywords | 糖尿病性微小血管障害 / c-Src / MAPキナーゼ / アンジオテンシンII / 血管平滑筋 / 細胞遊走 |
Research Abstract |
本邦での糖尿病患者の増加に伴い、糖尿病性微小血管障害による網膜症や透析患者、下肢切断患者も急増しその対策は急務である。最近我々は、糖尿病性微小血管障害の根底をなすインスリン抵抗性に、ガン遺伝子産物c-Srcを介したMAPキナーゼの活性化が関与していることを明らかにした。本研究では、「糖尿病性微小血管障害の細胞内メカニズムとしてc-SrcとMAPキナーゼが重要である」という仮説を立てて実験を行った。 高血圧を誘発する脈管作動物質であるアンジオテンシンII (AII) は血管平滑筋細胞の増殖と遊走に関与しており、糖尿病性微小血管障害の発生にも関与している可能性がある。本実験計画で我々は、AII起因性のSrcチロシンキナーゼ、MAPキナーゼのERK1/2およびJNKの活性化、並びにrat aorta smooth muscle cell (RASMC) の遊走に対するSrcチロシンキナーゼ阻害剤PP2の効果を、SrcチロシンキナーゼsiRNAの効果と比較検討した。PP2はAII起因性のERK1/2及びJNKの活性化を阻害したが、SrcのsiRNAはより低濃度にてそれらを阻害した。また同時に、SrcのsiRNAはPP2と同様にAII起因性のRASMCの遊走を強力に阻害した。これらの研究成果より、遺伝子治療も含めたc-SrcおよびMAPキナーゼの阻害は、糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症などの治療標的になりうる可能性が示された。 またさらに追加して行った実験結果より、AIIによる細胞増殖を、新規糖尿病治療薬であるGLP-1アナログのexendin-4が抑制することを見い出した。この結果は、糖尿病治療薬の血糖降下作用以外の有用性を示すものであり、現在exendin-4のMAPキナーゼ阻害作用についてさらに検討を加えている。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] S-nitrosylation regulates mitochondrial quality control via activation of2013
Author(s)
Ozawa K , Komatsubara AT, Nishimura Y, Sawada T, Kawafune H, Tsumoto H, Tsuji Y, Zhao J, Kyotani Y, Tanaka T, Takahashi R, Yoshizumi M
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 3: 2202
Pages: 1-10
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Intermittent hypoxia induces the proliferation of rat vascular smooth muscle cell with the increases in epidermal growth factor family and erbB2 receptor.2013
Author(s)
Yoji Kyotani, Hiroyo Ota, Asako Itaya-Hironaka, Akiyo Yamauchi, Sumiyo Sakuramoto-Tsuchida, Jing Zhao, Kentaro Ozawa, Kosuke Nagayama, Satoyasu Ito, Shin Takasawa, Hiroshi Kimura, Masayuki Uno, Masanori Yoshizumi
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Journal Title
Exp. Cell Res.
Volume: 319
Pages: 3042-3050
DOI
Peer Reviewed
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