2011 Fiscal Year Research-status Report
自然免疫ストレスセンサーNLRPの新機能とその分子機構解明
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23590327
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
木下 健 金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (20311681)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | がん / シグナル伝達 / 免疫 |
Research Abstract |
NLRP3-NF-κB活性化経路が細胞ストレスに起因する炎症誘導においてもIL-1β前駆体産生・蓄積に寄与しうるか調べるため、NLRP3ノックダウンTHP-1 細胞の尿酸結晶およびアルミニウムアジュバント刺激に伴うIL-1β前駆体産生・蓄積をコントロールTHP1細胞と比較した。siRNAによる一過性のノックダウンならびにshRNAによるstableノックダウン細胞いずれにおいてもNLRP3ノックダウン細胞株ではIL-1β前駆体産生・蓄積が減弱していた。これらから、病原体感染を伴わない炎症誘導においてもNLRP3がNF-κB活性化を誘導している事が示された。 非免疫系組織でも発現しているNLRP3がNF-κBの活性化誘導に寄与しているか調べるため、NLRP3, IL-1βを恒常的に発現しているがん細胞株にsiRNAを導入してNLRP3発現をノックダウンし、IL-1β前駆体産生・蓄積をmRNAレベル(RT-PCR, 定量PCR法)で調べた。種々のがん細胞株(HT1080, MKN45, SH10-TC, HT29, SW948, WiDr)でNLRP3ノックダウンによりIL-1βmRNA発現が減弱していた。また興味深い事にHT1080細胞が恒常的に産生しているIL-6もNLRP3ノックダウンによりmRNA発現、培養上清中への分泌が減弱していた。これらから、がん細胞においてもNLRP3がNF-κBの活性化を誘導し、がん細胞のIL-1β 前駆体産生・蓄積さらには他のサイトカイン産生にも寄与していることが示された。 以上の結果から、NLRP3-NF-κB活性化経路が免疫系組織のみならず、がん細胞等の非免疫組織においても非感染性細胞ストレスに伴う炎症誘導過程に重要な役割を担っている事が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は様々な炎症誘導過程におけるNLRP3-NF-κB活性化経路の寄与を示す事を目標にしていた。そのために掲げた項目のうち、病原体感染を伴わない細胞ストレスに起因する炎症誘導系での検証 並びにがん細胞におけるNF-κB活性化への寄与についておおむね目的を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
NLRP3を発現しているがん細胞のIL-6、ケモカイン、細胞外マトリックスメタロプロテアーゼ等の産生にもNLRP3-NF-κB活性化経路が寄与している可能性を検証する。 NLRP3遺伝子の変異とリンクされているヒトの遺伝性炎症疾患においてもIL-1β 前駆体産生・蓄積にNLRP3-NF-κB経路が寄与している事を示す。 NLRP3からNF-κB活性化に至る分子機構解明に取り組む。そのためにMammalian Two-Hybridシステムを利用して既知のNF-κB活性化シグナル伝達分子との網羅的な結合アッセイを行う。また、Mammalian Two-Hybridシステムを応用した独自の結合スクリーニング系を構築し、NLRP3, ASCと結合する因子をcDNAライブラリからスクリーニングすることも試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
siRNA, shRNAによるノックダウン細胞株を多数樹立し、解析するための試薬類:培養細胞用培地、oligo DNA、siRNA、RNA抽出試薬、cDNA合成試薬、定量PCR試薬、PCR試薬、ELISA 試薬、抗体、等。 NF-κB活性化シグナル伝達分子cDNAを単離し、Mammalian Two-HybridシステムでNLRP3-NF-κB活性化経路因子との結合の有無を判定するための試薬類:DNA精製キット、遺伝子組換え試薬、ルシフェラーゼアッセイ試薬、DNAシークエンス解析試薬、免疫沈降用抗体, 等。 Mammalian Two-Hybridシステムを応用した独自の結合スクリーニング系を構築し、NLRP3, ASCと結合する因子をcDNAライブラリからスクリーニングするための試薬類:DNA精製キット、遺伝子組換え試薬、DNAシークエンス解析試薬、cDNAライブラリ作製試薬、アイソトープ、培養細胞用培地、等。
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Research Products
(3 results)