2013 Fiscal Year Annual Research Report
線虫をモデルとしたパーキンソン原因遺伝子LRRK2の周辺因子の解析
Project/Area Number |
23590331
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久本 直毅 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80283456)
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Keywords | LRRK2 / C. elegans / パーキンソン病 |
Research Abstract |
本研究課題では、線虫をモデル動物として、パーキンソン病の原因遺伝子LRRK2の線虫ホモログLRK-1の上流下流あるいは周辺で機能する因子を同定・解析することにより、種を越えて保存されたLRRK2シグナル伝達経路を明らかにすることを目的とする。本年度は、ヒトLRRK1およびLRRK2とHSC70/HSP70そしてBAG2との関係について調べた。Tagを付けたヒトLRRK1, HSC70/HSP70およびBAG2を哺乳動物細胞で発現させ、その結合様式について検討したところ、BAG2はLRRK1 に対してHSC70を介して結合することが明らかになった。またLRRK1の代わりにLRRK2を用いた場合でも同じ結果が得られた。しかし、内在性のLRRK1とHSC70/HSP70およびBAG2の結合について調べたところ、LRRK1とHSC70/HSP70の結合およびBAG2とHSC70/HSP70の結合はそれぞれ見られたものの、LRRK1とHSC70/HSP70およびBAG2の三者複合体は確認できなかった。従って、内在性レベルではLRRK1-HSC70およびBAG2-HSC70の複合体がそれぞれ存在すると考えられる。興味深いことに、LRRK1とHSC70の結合はBAG2を多量発現させると減少し、逆にHSC70とBAG2の結合はLRRK1を多量発現させると減少した。このことから、BAG2とLRRK1のHSC70への結合は競合的であることが示唆された。さらに、線虫においてLRK-1のゴルジ体への局在に対するhsp-1変異の効果について調べたところ、unc-23変異体で見られるLRK-1のゴルジ体への局在低下がhsp-1変異により抑圧された。なお本研究の成果については、現在論文として投稿、修正を済ませており、現在雑誌社の承認待ちである。
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Research Products
(2 results)