2011 Fiscal Year Research-status Report
足場分子アファディンが持つ多面的細胞機能を制御する分子機構
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23590335
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
扇田 久和 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50379236)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 細胞接着 / 細胞形態 |
Research Abstract |
アファディンは細胞接着分子ネクチンの細胞内領域に結合し、ネクチンの足場分子として細胞間接着の形成に重要であると共に、細胞の運動、生存、極性といった様々な基本的細胞機能を制御する多面的な作用を持ち、個体の形成・維持において必要不可欠な分子である。アファディンの細胞間接着における分子機構については、私のこれまでの研究により多くの点が明らかとなっているが、その他の細胞機能におけるアファディンの分子機構は未解明の部分が多く残されている。この未解明の機構を明らかにするため、本年度はアファディンをノックダウンした内皮細胞および内皮細胞特異的にアファディンを欠失させたコンディショナルノックアウト(cKO)マウスを用いて実験を行った。アファディンcKOが出生する割合は極めて低く、胎生14.5日時点で著明な浮腫を生じていた。この浮腫の原因を調べるため、胎仔皮膚脈管系を種々の抗体で染色し、蛍光顕微鏡を用いて観察したところ、血管はほぼ正常であったものの、リンパ管では管腔壁に多数の穴が開き壁構造が破綻していることが見つかった。さらに、リンパ管内皮細胞を用いて細胞内シグナル伝達機構を検討したところ、アファディンノックダウンにより低分子量Gタンパク質RhoAの活性が著明に上昇していることを見出した。RhoAの活性化はアクチン線維束化の亢進を引き起こし、細胞接着部位に強い引き剥がし張力を生じさせることから、アファディンが欠失することによるリンパ管内皮細胞でのRhoA活性化が、壁構造の破綻に関与していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アファディンの多面的な作用の分子機構について、内皮細胞特異的アファディンコンディショナルノックアウトマウスやアファディンをノックダウンしたリンパ管内皮細胞を用いた解析を順調に実施できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
アファディンを欠失させた場合に、RhoAが活性化する程度はそれぞれの細胞によって異なるため、活性化制御機構がどのように細胞特異的に作用しているのか検討していく。別の臓器、特に、心臓におけるアファディンの作用機構を心臓特異的アファディンコンディショナルノックアウトマウスを作製することで解明していく。これらの研究により、アファディンの多面的な作用機構を詳細に明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マウスの飼育および培養細胞の実験を中心に研究費を使用する。培養細胞を用いたシグナル伝達の解析実験では、特に、低分子量Gタンパク質の活性化機構の解明に焦点を当てて有効に研究費を用いる。
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Research Products
(8 results)