2013 Fiscal Year Annual Research Report
補体関連分子MASP―1による新規なD因子活性化機構
Project/Area Number |
23590342
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
高橋 実 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00285024)
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Keywords | 補体 / レクチン経路 / トランスジェニック / MASP |
Research Abstract |
昨年度までにヒトの補体D因子の昆虫細胞で組みかえ体タンパク質を作らせると補体第2経路を活性化しない未活性型(Pro-Df)であることがわかった。最終年度で、デンマークのグループから実際のMASP-1およびMASP-3を欠損した3MC症候群から採取した血清を供与された。その血清を用い、補体第2経路の活性化能を測定したところ、正常血清に比して、ほとんど活性がないことがわかった。さらに血清中の補体D因子をウエスタンブロット法で検出し、その分子量を比較するとわずかではあるが、正常のD因子の大きさよりも大きいことがわかった。この結果はヒトにおいてもマウス同様にMASP-1およびMASP-3が補体D因子の活性化に必要な主要な酵素であることがわかった。一方で、補体H因子は第2経路の抑制因子で、これを欠損したマウスでは無秩序な補体活性化が起こり、様々な炎症をきたす。我々との共同研究に置いて、このH欠損マウスでMASP-1/3を欠損させると、炎症が抑えられると考えられたが、実際は抑えることができなかった。予想外の結果ではあるが、そこで考えられるのが、ウエスタンブロットでは、検出できないほどのわずかなD因子がH因子欠損による補体活性化に充分であることを示していると示していると考えられた。平成23年度からの結果をまとめると、まだMASP1/3によるD因子の活性化は種を超えて、普遍的なシステムであっることがわかった。さらに研究を遂行することによって、MASP-1/3の3MC症候群の発症機序にどのように関与するか、調べる手がかりとなった。
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