2013 Fiscal Year Annual Research Report
心腎貧血症候群の病態におけるレニン・アンジオテンシン系の新規因子の解析
Project/Area Number |
23590352
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 和広 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80241628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸恒 和人 東北福祉大学, 総合福祉学部, 教授 (10217515)
金子 桐子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10545784)
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Keywords | プロレニン受容体 / アンジオテンシン / 赤芽球 / V-ATPase |
Research Abstract |
プロレニン受容体は、レニンとその前駆体であるプロレニンに特異的に結合する受容体である (Nguyen et al., 2002)。プロレニン受容体は、アンジオテンシンII依存的にあるいは非依存的に、腎メサンギウム細胞や線維芽細胞の増殖を促進することが示されている。これまでの検討において、プロレニン受容体が、赤芽球系細胞であるYN-1細胞にも発現していること、インターフェロンγは、細胞内プロレニン受容体の量を増加させること、エリスロポエチンやトリヨードサイロニンは、発現を増加させることを明らかにしてきた。最近、プロレニン受容体は小胞内酸性化作用を担っているV-ATPaseと接合し、心筋細胞や腎周細胞の生存に必要不可欠であることが報告されている。 今年度の研究では、プロレニン受容体の細胞増殖促進機構を解析した。YN-1細胞は、siRNA導入効率等が低く、プロレニン受容体の細胞増殖への効果の検討には不向きであるので、ヒト乳癌培養細胞を用いて検討を行った。プロレニン受容体は検討した4種全例の乳癌培養細胞株(MCF-7,T47D,SK-BR-3,MDA-MB-231)で発現が確認された。プロレニン受容体特異的siRNAを用いて、細胞増殖への影響を検討した。プロレニン受容体の発現をノックダウンすると、培養細胞の増殖が有意に抑制された。他方アンジオテンシンIIの添加によって細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK1/2)のリン酸化や細胞増殖の促進はみられなかった。他方、プロレニンを添加するとERK1/2のリン酸化がみられた。V-ATPase阻害剤であるバフィロマイシンA1を添加すると細胞増殖が著しく抑制された。本年度の検討によって、プロレニン受容体の細胞増殖刺激経路として、ERK1/2あるいはV-ATPaseを介した作用が示唆された。
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[Presentation] (Pro)renin receptor in breast carcinoma2013
Author(s)
Ohba K, Nishiyama H, Kaneko K, Hirose T, Totsune K, Sasano H, Suzuki T, Takahashi K
Organizer
International symposium of aldosterone and related substances in hypertension 2013 (ISARSH2013)
Place of Presentation
仙台
Year and Date
20130427-28
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