2011 Fiscal Year Research-status Report
Rap2ノックアウトマウスの表現型解析:病態との関連と分子基盤の解明にむけて
Project/Area Number |
23590366
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
苅谷 研一 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40263371)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 一郎 沖縄科学技術大学院大学, その他部局等, 教授 (70426568)
吉見 直己 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30166996)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | Rap2 / ノックアウトマウス / 表現型 |
Research Abstract |
Ras類縁低分子量GTP結合蛋白質Rap2に固有の細胞内シグナル伝達機能は不明であったが、私共はその最初の例としてRap2がJNKの上流MAP4K(NIK、TNIK、MINK)を活性化することを見出した(Rap2-MAP4K系)。本研究では個体レベルでのRap2-MAP4K系の機能解析のため、世界に先駆けて作成したRap2ノックアウト(KO)マウスと同腹野生型(WT)マウスとの比較解析を進めている。まず、Rap2-MAP4K系関連分子と精神疾患の関係が臨床研究から指摘されており、飼育中の行動からもKOとWTの差が疑われていた。そこで、オペレータなしの複数匹グループ行動解析装置を用いた概観的な行動比較を進めており、本装置でみられるKOとWTの差を示すための至適設定を設定中である。一方、KOで予想外に膣開口障害とそれに伴う子宮膣留水症を認めているが、膣開口はエストロゲン依存性アポトーシスの結果であり、WTでは内因性エストロゲン増加による開口を待たずに生後早期のエストロゲン投与でも開口が誘導できる。しかし、Rap2 KOでは誘導できない例が見られ、アポトーシス障害を疑っている。最後に、JNKはT細胞の成熟・分化に関与することが知られていたが、KOでは胸腺細胞数が減少していたものの、CD4- CD8-のdouble negative細胞からCD4+ CD8+のdouble positive細胞をへてsingle positive細胞への成熟過程に異常は認められなかった。しかし、リンパ節でのCD4+細胞のTh1/Th2分化に異常を認めており、詳細な解析を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた解析にはみな着手し、一定の知見を得つつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成23年度にひきつづき行動解析、生殖器形成の解析、免疫細胞機能の解析をより詳細に進める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験に供する遺伝子型の動物の出生数を正確に厳密に制御できなかったため当初の予想額と執行額に相違が出たが、計画を変更する必要はなく、前年度の研究費も含めて予定通りの研究を進めてゆく。
|
Research Products
(1 results)