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2012 Fiscal Year Research-status Report

免疫応答におけるSFRP2の機能解析

Research Project

Project/Area Number 23590368
Research InstitutionKyoto Prefectural University of Medicine

Principal Investigator

八木 知人  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50453098)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田中 雅深  京都府立医科大学, 医学部, 研究員 (10444994)
田代 啓  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10263097)
Keywords分子病態学 / SFRP2 / 免疫応答 / カルシウムシグナル
Research Abstract

SFRP2 / SDF5はWntシグナルへの競合的拮抗作用により、多くの組織での分化・発達に関与すると考えられている。SFRP2はβ-catenin / serine-threonine kinase glycogen synthase-3 beta(GSK3β)を介在して胚形成に重要な役割を果たしており、同時に、血球系細胞の分化や造血幹細胞の維持、再構築にも関与していることが示唆されている。しかし、詳細な機能解析は未だ十分に行われておらず、特に免疫細胞における機能はほとんど評価されていない。今回我々は、独自に作製したSFRP2/SDF5ノックアウトマウス(KOマウス)を用いて免疫細胞の分化、機能解析を行っている。初年度の目標であるフローサイトを用いた解析を軸に行っており、免疫細胞における分化に関して機能解析を行っている。リンパ球の初期分化には大きな差異を現在認めていない。しかしながら、KOマウスのB細胞がコントロールに比較してより活性化されていることが観察されている。現在この活性化が起きているメカニズムを解析している。
カルシウムシグナルはリンパ球の活性化に非常に重要であることから、次年度に施行する予定であったカルシウムシグナルの解析を本年度に前倒しして行い、現在解析を続行中である。興味深いことに、B細胞のカルシウムシグナルが変化していることが示唆された。また更なる解析を実施中であるが、今回の解析でリンパ球ではカルシウムの細胞内流入にSFRP2が関与していることが示唆された。このことから、リンパ球においてカルシウムシグナルに関与しているPLCgammaやNFATなどのリン酸化、脱リン酸化をウエスタンブロットにて解析を行っている。
今回のKOマウスを用いて解析により次第にSFRP2遺伝子がどのように免疫細胞の分化、機能に関わっているのか明らかにされつつある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初より予定していたカルシウムシグナルアッセイを前倒しして行っており、その結果SFRP2はカルシウムシグナルに関与していることが示唆された。それにより、下流のシグナルの差異をウエスタンブロットにて評価を行っている。現在、最終年度に予定していた解析を含めて予備実験を実施している。また免疫細胞の分化や活性化の評価も予定通り実施できており最終年度に向けて結果を論文化する準備も実施中である。現在、研究成果を公表するために、学会での他の研究者との意見交換を行い、効率よく解析を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

① 昨年度と同様にカルシウムシグナルやサイトカイン産生能について解析を行っていく。またカルシウムシグナルはタンパクのリン酸化による活性化に関与することより当初の予定通りタンパク質のリン酸化アッセイを実施している。カルシウムシグナルに関与するNFATsなどのタンパク質のリン酸化をウエスタンブロットなどの手法を用いて比較検討する。またB細胞において重要なカルシウムシグナルのPLCgamma2のリン酸化も検討中である。カルシウムシグナルに重要な働きがあることは解析結果から証明されているので、この点において重点的に検討中である。
② 未だ、SFRP2がどのように直接的または間接的にカルシウムシグナルに関与するのか不明であり、他の解析方法も検討し機能を解明していく。具体的にはin vivoまたはin vitroにおいてKOマウスより細胞を分離しSFRP2タンパクと混和することによりカルシウムシグナルに変化が起きるか検討する予定である。またその結果、変化や差異を認めればサイトカイン産生能の変化を解析する予定である。
③ SFRP2が細胞増殖にどのように関与しているのか不明な点も多いため細胞増殖やアポトーシスへの関与を検討するため、活性化したカスペースを測定する実験系を構築中である。
④ カルシウムシグナルに伴うサイトカイン産生能について検討する予定であり、そのための備品などを購入している。
⑤ 現在の成果を報告するために、学会発表や論文を作成中であり、より詳細な解析を実行中である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

① B cell receptorの下流にあるシグナル伝達をさらに比較するために、タンパクのリン酸化をそれぞれのリン酸化タンパク質に特異的抗体を購入予定である具体的にはPLCgammaなどのリン酸化をウエスタンやフローサイトを用いて検討する。カルシウムシグナルにSFRP2が関与していることが示唆されておりその下流のシグナルを中心に現在解析を行っている。
② SFRP2タンパクによるカルシウムシグナルへの関与が証明されつつあり、これに伴うサイトカイン産生能について比較検討予定である。解析の結果、細胞内へのカルシウム流入に大きく関与していることが示唆されており、より詳細な解析を行いつつ現在、成果を報告するために論文を作成中である。
③ アポトーシスや細胞増殖への関与を検討するために、カスペースなどの活性を測定する。細胞増殖やApoptosisを誘発する薬剤などを用いてフローサイトやELISAを中心とした解析を実施する予定であり、それぞれの解析に必要な抗体や試薬などを購入予定である。
④ 現在はB細胞を中心に解析を行ってきたが、今後T細胞についてもより詳細な解析を実行する予定である。B細胞と同様にカルシウムシグナルやアポトーシスに関連した解析を行うと同時に、T細胞に特化したTh1/Th2などの機能解析を行う予定である。

Research Products

(1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] The defects of Sfrp2 reveal modulating calcium signaling in lymphocytes.2012

    • Author(s)
      徳田雄市、田中雅深、八木知人、田代啓
    • Organizer
      第74回日本血液学会学術集会
    • Place of Presentation
      京都市
    • Year and Date
      20121019-20121021

URL: 

Published: 2014-07-24  

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