2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23590368
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
八木 知人 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50453098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 雅深 京都府立医科大学, 医学部, 研究員 (10444994)
田代 啓 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10263097)
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Keywords | 分子病態学 / 免疫応答 / SFRP2 |
Research Abstract |
SFRP2はWntシグナルへの競合的拮抗作用により、多くの組織での分化・発達に関与すると考えられており、beta-catenin / serine-threonine kinase glycogen synthase-3 betaを介在して胚形成に重要な役割を果たしている。また同時に、血球系細胞の分化や造血幹細胞の維持、再構築にも関与していることが示唆されているが、免疫細胞における機能は依然分かっていない。今回我々は、独自に作製したSFRP2ノックアウトマウス(KOマウス)を用いて免疫細胞の分化、機能解析を行った。最終年度までの目標達成のために、フローサイトメトリーを用いた解析を軸に行い、免疫細胞、特にBリンパ球に特化して分化と細胞応答における機能解析を行った。その結果、Bリンパ球について骨髄、脾臓においては早期分化能に差異は認められなかった。 しかしながら、BCRシグナルを介したカルシウムシグナル伝達の遅延およびカルシウム流入の現象に差異を認めた。カルシウムシグナルはリンパ球において非常に早期の刺激伝達経路であり、それに引き続くシグナル伝達は細胞の活性化やサイトカインなどの産生に関与する。今回の結果より、そのカルシウムの細胞内流入にSFRP2が関与していることが示唆された。そこで、カルシウムシグナルに関与しているPLCgammaやNFATなどのリン酸化、脱リン酸化をウエスタンブロットで解析したところ、PLCgamma2の活性化についてもKOマウスでは異常を認めた。これらのことより、SFRP2がBリンパ球においてBCRシグナルを介して活性を調整していることが示唆された。今回得られた知見を元に、異常なBリンパ球の活性化によって引き起こされる自己免疫疾患などの病態を、BCR刺激伝達物質であるSFRP2を介してコントロールすることが可能であるかについて今後も検討していく。
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Research Products
(1 results)