2011 Fiscal Year Research-status Report
ヒト前立腺癌のホルモン不応性獲得におけるセロトニンの役割と新たな治療標的の可能性
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23590387
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 保宏 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80396499)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / ホルモン不応性 / セロトニン受容体 |
Research Abstract |
実験1. 外科手術および病理解剖等で得られたヒト前立腺癌組織検体での、癌細胞におけるセロトニン受容体の1つhHTR4の発現程度、および癌組織間質中での肥満細胞浸潤度を形態学的評価および免疫組織化学的手法を用いて検討した。その結果、5HTR4の発現度が、ERβ, 5α-reductase type 1, 2および17βHSD type 5の発現度と正の相関を示した。また、5HTR4陽性例では癌周囲間質での肥満細胞の数が多い傾向がみられた。実験2. RT-PCR法およびWestern blotting analysisにより、前立腺癌培養細胞株での5HTR4の発現の検討を行った。LNCaP, DU-145, PC-3いずれの細胞株でも、5HTR4のmRNAおよびタンパクの発現が確認された。以上から、前立腺癌細胞での5HRT4発現が癌の性質に影響を及ぼしている可能性が示唆された。今後、さらにその機能的役割を調べる意義があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト検体を用いた検討が終了し、また培養細胞株での5HTR4発現を証明することができ、さらなる機能的実験に進めることが確認できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の前立腺癌細胞株に、セロトニンやその阻害剤を添加し、細胞の増殖・浸潤能、アポトーシス、アンドロゲン合成・代謝酵素の発現等への影響をMTT assay、invasion assay, apoptosis screening kit, 定量RT-PCR等によって解析する。また同様に、上記細胞株にセロトニンや阻害剤を添加し、培養液中のアンドロゲン濃度の変化をELISAや液体クロマトグラフィー/タンデム型質量分析(LC-MS/MS)によって解析する。また同時に、アンドロゲン合成・代謝酵素の発現や活性への影響について、定量RT-PCR、Western blotting、酵素活性測定で検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
培養細胞を用いた機能的実験を主体に使用予定。
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